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厚生局の保険医療機関への個別指導の指導結果の通知、改善報告書、自主返還のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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個別指導の手続きの概要(4):指導結果の通知、改善報告書、自主返還

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ここでは、厚生局の個別指導の指導結果の通知、改善報告書の提出、個別指導後の自主返還の手続きについて、その概要をご説明します。ただし、以下は原則的な取扱いであり、地域によって運用等異なる場合がありますので、注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、厚生局の指導監査の基本的な流れ、実施状況など記載していますので、まずはこちらのコラム厚生局の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


厚生局の個別指導の指導結果の通知、改善報告書、自主返還の手続き


 1 指導結果の決定、結果の通知

1 指導結果の決定

個別指導の終了後、個別指導での指摘事項が過去の事例と比較して齟齬がないかなどの確認が行われ、保険医療機関に通知される指摘事項と指導後の措置について、指導担当者等の協議により取りまとめが行われます。

指導後の措置の判定については、次の点が留意されます。
すなわち、基本的な考え方として、個別指導後の措置については、診療の内容および診療報酬の請求に対する理解の程度、請求根拠となる記録の状況、請求状況等を確認し、次の4つの観点を中心に、総合的に判断されます。
すなわち、第一に、診療が医学的に妥当適切に行われているか、第二に、保険診療が健康保険法や療養担当規則をはじめとする保険診療のルールに則り適切に行われているか、第三に、診療報酬の算定方法等を遵守し診療報酬の請求の根拠がその都度診療録等に記録されているか、第四に、保険診療や診療報酬の請求について理解が得られているか、以上が4つの観点です。

個別指導後の判定の措置については、指摘事項の内容や返還事項が軽微であるなど、4つの観点のうちいずれの観点においても特筆すべき問題点が認められない場合に「概ね妥当」とされ、個別指導実施時に理解が得られているかどうかを考慮した上で4つの観点のうち問題が認められる観点はあるが多岐にわたるものではなくかつ内容が重大でない場合に「経過観察」とされ、4つの観点のうち多岐にわたる観点において問題が認められるまたは重大な問題が認められる場合に「再指導」とされることとされています。

2 指導記録の作成

厚生局において、個別指導の指導結果通知の作成の基となる指導の日時、場所、出席者、指導担当者および当日の指導内容等を詳細に記載した指導記録が作成されます。

3 指導結果の通知

個別指導の指導結果は、「概ね妥当」、「経過観察」および「再指導」の3区分で、保険医療機関に、原則1か月以内、おそくとも概ね2か月以内に通知されることになっています。通知の時期については、地域差などがあり、1か月経たずに通知がなされるケースがある一方で、2か月が経っても通知がされないケースもあります。

「概ね妥当」は、診療内容や診療報酬の請求に関し、概ね妥当適切であると認められる場合とされています。

「経過観察」は、診療内容や診療報酬の請求に関し、適正を欠く部分が認められるものの、その程度が軽微で、診療担当者等の理解も十分得られており、かつ、改善が期待できる場合とされています。
指導後の措置が経過観察とされた場合は、改善報告書の受理後、数か月の間、レセプトまたはその他必要に応じ保険医療機関から提出を求める書類により改善状況を確認し、改善が認められない場合は、次年度の個別指導の対象とするとされています。

「再指導」は、診療内容や診療報酬の請求に関し、適正を欠く部分が認められ、再度指導を行わなければ改善状況が判断できない場合とされています。
再指導の場合は、次年度の個別指導の対象とされ、また、不正や不当が疑われ患者から受診状況等の聴取が必要と考えられる場合は速やかに患者調査を行うとされています。

個別指導の指導結果が通知される際に、改善報告書や返還同意書などの必要な書類が併せて送付され、期限を定めた提出が求められます。

個別指導の指導結果は、厚生局において、保険医療機関等管理システムに入力されます。

 2 改善報告書

1 改善報告書の提出期限

改善報告書は、通常、指導結果の通知後、1か月後を期限として提出が求められます。

2 改善報告書の再提出

改善報告書を提出しないと、厚生局から保険医療機関に対し、督促などがなされます。

保険医療機関から改善報告書が提出されると、厚生局は指摘事項と突合し改善内容を確認し、改善報告の内容が不十分である場合は保険医療機関に返戻し、保険医療機関は再提出を求められます。

 3 自主返還

1 自主返還の手続き

指導対象となったレセプトのうち返還が生じるものと、返還事項に係る全患者の指導月前1年分のレセプトについて、自主点検の上での返還を求められます。

返還同意書など必要な書類は、指導結果の通知後、診療所は1か月後を期限として提出が求められます。提出がないと、当該保険医療機関に督促などがなされます。

保険医療機関から返還同意書等必要な書類が提出されると、厚生局において、個別指導で指摘した事項が全て網羅されているか等確認が行われ、保険者に通知されます。なお、返還同意書等の内容が指導結果と不整合であるなどの場合は、厚生局は、保険医療機関に返戻し、再提出を求めるとされています。

2 自主返還の方法

今後支払われる診療報酬がある場合には、地方厚生(支)局が保険者に代わって支払基金等に対し、今後支払われる診療報酬から返還するように依頼することができるとされています。
支払基金等がこれによりがたい場合、支払基金等から当該保険者に連絡し、返還金相当額を当該保険医療機関から直接当該保険者に返還させることになり、ただし、取扱い方法については、保険医療機関と保険者の同意のもと、地方厚生(支)局と支払基金等が協議した上で、地方厚生(支)局は保険者に対して保険医療機関に直接返還を求めるよう通知することで差し支えないとされています。

保険医療機関が返還金の分割納付等の申出をした場合、診療報酬に係る返還金の債権者は各保険者であり厚生局の事務所等はこれを分割して納付すること等について許諾を与える権限を有していないため、審査支払機関や各保険者と協議するように説明がなされます。

保険医療機関の自主点検の結果、被保険者の一部負担金に過払いが生じた場合は、適切かつ速やかに被保険者へ返還するよう指導されます。


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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
個別指導での指導結果通知、自主返還の他、多数のコラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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