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厚生局の個別指導当日の出欠・持参資料の確認、指導方法、弁護士帯同、録音、中断のコラムです。厚生局の個別指導は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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個別指導の手続きの概要(3):個別指導当日の指導方法等

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、厚生局の個別指導の当日の出欠確認、持参資料の確認、指導方法、帯同者(同席者)、録音、学識経験者、個別指導の中断、監査への移行、当日の指導結果の説明について、その概要をご説明します。ただし、以下は原則的な取扱いであり、地域によって運用等異なる場合がありますので、注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、厚生局の指導監査の基本的な流れ、実施状況など記載していますので、まずはこちらのコラム厚生局の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


厚生局の個別指導の当日(出欠確認、指導方法、中断、監査移行等)


 1 出欠、持参資料の確認

1 出欠の確認

開設者(またはこれに代わる者)および管理者が出席できない場合は、理由書とそれを証明できるもの(診断書等)の提出が求められます。そして、当該理由が正当な理由と判断される場合は、指導が延期され、原則として当該年度中にあらためて個別指導が実施されます。

正当な理由がなく、個別指導を拒否した場合は、監査に移行することになっています。ただし、一度の拒否で即監査に移行するのではなく、厚生局において個別指導を受けるように十分に説明を行い、それでも続けて拒否をした場合に移行するとされています。当該説明の経過等は、厚生局側で事跡が記録され保管されます。

出席を求めた者の出席が確認され、出席を求めた者以外の者が出席している場合は、その退席が求められます。

2 持参資料の確認

事前に通知した資料を持参しているか、確認がなされます。持参していないことにより指導に支障が生じる場合は、医療機関側が従業員などにより取りに行くなどの対応を求められるなどすることがあります。

持参資料不足に備え、個別指導の当日に、診療所にスタッフを待機させ、いざというときに資料等を取ってきてもらえる体制としている医療機関もあります。

 2 指導方法等

1 指導方法

保険医療機関に対して、指導の目的、指導手順等について、説明がなされます。

その上で、厚生局が事前に抽出したレセプト(原則として指導月前の連続した2か月分)に基づき、診療録と関係書類を閲覧し、面接懇談方式により指導が行われます。

指導時間は、指導の目的が果たせる時間とされ、原則として診療所は2時間となります。なお、指導時間は、届出事項とレセプト等に基づく関係書類等の確認に要する時間を意味し、取りまとめや指導結果の口頭説明に要する時間は含まないとされています。そのため、指導後の取りまとめや指導結果の口頭説明の時間は、前記2時間とは別枠で時間を要することになります。

情報提供等に基づく個別指導については、情報提供内容に特化した指導を行うことなく、当該情報提供に関する事項に加え保険診療および診療報酬請求全般について行うものとされています。情報提供の個別指導では、当初に情報提供部分を尋ねてくるケースもありますが、まずは通常の教育的な指導を行い、その上で、情報提供部分について確認がなされるケースが多い印象です。

2 帯同者(同席者)

被指導者から要請があり、弁護士の帯同を認めることはあり得るものの、この場合、被指導者から委任を受けていることを確認できる書面の提出を弁護士に求めるものとされています。弁護士鈴木の経験上、数多くの個別指導に同席してきましたが、帯同・同席を厚生局に断られた経験は(今のところ)ありません。

保険医療機関および弁護士に対し、弁護士は直接の答弁をなし得ないこと、および不穏当な発言により指導の進行に支障を来たし、行政目的を達し得ないおそれが認められた場合には退席を命ずることを事前に伝え、また、実際に指導の進行に支障を来たし、退席を命じたにもかかわらず退席しない場合は、保険医療機関に対して弁護士が退席しない場合は指導拒否とみなす旨を伝えるとされています。

なお、厚生局は、委任を受けた弁護士以外の帯同は、指導は当事者以外の者が対応することは困難であり、患者のプライバシー保護に万全を期する必要があるとして、認めないとしています。

3 録音

指導内容の適正を記するため行政側で録音が必要と判断したときは、被指導者にその旨を伝えた上で厚生局が録音をしても差し支えないものとされています。

保険医療機関側から指導時の録音の許可を求めた場合は、録音が必要な理由を確認され、保険医等自身による指導内容の確認が目的である場合は録音を認めるとされています。この場合、行政側も録音するとされ、「録音内容は患者のプライバシーに関することも含まれることから、他人に聞かせる等、医師等の守秘義務に反する目的での使用はできない」旨が伝えられます。
録音の理由が前記以外の場合は、指導内容は後日文書で通知され、患者のプライバシー保護に万全を期する必要があるため、原則として録音は認めないとされています。

4 学識経験者の立会い

立会者は、指導を実施している机等から離し、指導内容が十分聞き取れる位置に着席し、指導が行われている間は、行政側・保険医療機関側のいずれかに偏った位置とならないよう配慮するとされています。

立会者が意見を述べる機会は与えられますが、これは行政側の要請に応じて学識経験者として意見を述べることを目的としており、行政側からの要請がない限り発言することはできないとされています。

立会者として不適切な行動や発言を行い、指導の進行に支障を来たす場合は、直ちに立会者に注意し是正を求め、なお立会者が不適切な行為を続ける場合は、指導会場からの退席を求めるとされています。

 3 指導の中断、監査への移行

1 個別指導の中断

厚生局が依頼した資料を保険医療機関が持参せず、指導の目的が達し得ないと判断した場合、または指導中に診療内容等に疑義が発生し、指導時間内に保険医療機関から十分な説明が得られなかった場合など、予定した時間内に指導が終了できない場合は、立会者と保険医療機関に理由を説明し指導を中断するとされています。個別指導の中断の件数は多くはなく、個別指導が中断となってしまった場合は、その理由にもよりますが、後に監査へ移行する可能性が十分ある状況というべきです。

診療内容等について更に確認が必要と判断される場合は、厚生局は、保険医療機関の同意を得て、診療録その他関係書類の写しの取得を求めてきます。

個別指導が中断された場合、後日、個別指導が再開されることが原則です。なお、監査に移行する場合は、この限りではありません。

2 監査への移行

指導中に診療内容または診療報酬請求について、明らかに不正または著しい不当が疑われる場合は、個別指導を中止し、必要に応じ患者調査を実施した上で、速やかに監査を行うものとされています。

 4 指導結果の説明

1 指導終了後の取りまとめ

指導終了後、指導担当者は、指導結果の説明にあたっての事前打ち合わせを行い、指摘事項を整理するとされています。なお、地域・担当者によっては、取りまとめのために保険医療機関が別室などへの移動を求められるなどすることがない運用である場合があります。

2 指摘事項の説明

取りまとめ終了後、立会者と保険医療機関に対し、原則的には、口頭で指摘事項等が説明(指摘事項のみで指導後の措置や返還項目には言及しないものとされています。)されるとともに、指導結果を後日に文書で通知する旨が伝えられます。

なお、個別指導の終了に際しては、保険医療機関側(院長)からの一言を求められることが通例です。


厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方はお電話下さい。
指導監査への対応を弁護士がアドバイスし、同席します。


厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
個別指導の当日の指導方法、録音などの他、多数のコラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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