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患者による不正請求の情報提供での個別指導のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(3):不正請求の患者情報提供

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、患者の母親から付増請求(不正請求)の情報提供で厚生局の個別指導となり、医師が個別指導で係る検査結果などの持参をせず廃棄した旨を回答し個別指導が中断となり、再開後の個別指導で医師が不正請求を認め監査となり、付増請求、振替請求での取消相当となった実例(不正請求での取消相当)をご紹介します。近畿厚生局の平成27年12月付けの取消相当の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、厚生局の指導監査の基本的な流れ、実施状況など記載していますので、まずはこちらのコラム厚生局の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


患者(患者の母親)からの不正請求の情報提供


 1 個別指導、監査に至った経緯

1 患者からの不正請求の情報提供

平成25年11月21日、公費負担医療(乳幼児医療)の患者の母親から、日高川町及び和歌山県を通じて近畿厚生局和歌山事務所に対し、医療費通知に記載された医療費の額が高いので、日高川町役場で診療報酬明細書を確認したところ、受けた記憶のない処置、手術及び検査が請求されている旨の情報提供があった。

【コメント】
本ケースのように、患者(またはその関係者)からの不正請求の情報提供により、個別指導、監査となるケースは稀ではありません。患者にとって、医療機関の不正請求を行政に情報提供するということは、通常、相応の覚悟がいることというべきで、患者の親族などが不正請求の情報提供をサポートし、あるいは、複数名の患者(家族)で不正請求の情報提供を行うケースがあります。本ケースでは、患者の母親により情報提供がなされていますが、家族複数名がその医療機関を受診しており家族複数名で名前・立場を明かして厚生局に不正請求の情報提供をした場合は、厚生局としては、重く扱うことが多いイメージです。
なお、公費負担医療などで一部負担金の支払いがない患者については、患者の一部負担金負担がなく患者が注意して診療内容をチェックしない傾向があるため、類型的に付増請求の不正請求が行われやすいといえます(患者に一部負担金が生じなければ、患者としては付増請求をされていても係る金銭負担は生じません。そこで、患者は不正請求に気付きにくいといえますし、気付いたとしても自己負担する金額が変化するわけではないので厚生局などにあえて情報提供はしづらいといえます。)。

2 患者情報提供による個別指導の実施、中断

平成26年6月26日、個別指導を実施したところ、検査結果、エックス線フィルム及び日計表の持参がなかった。このことについて、医師は、診療録に検査結果等を記載後、廃棄した旨を回答したものの、その理由について明確な回答がなかったことから個別指導を中断した。

【コメント】
検査などの付増請求の情報提供が患者からあった場合、個別指導では、その検査などの実態があるか、関係書類の有無などをチェックすることになります。検査結果などの関係書類の個別指導への持参がない場合は、情報提供のとおり実際には行っていないのではないかと、不正請求が疑われることになります。持参を忘れた場合は後日の持参等を求められることになりますし、紛失・廃棄してしまった場合はその理由の信ぴょう性などが判断されることになります。

3 個別指導の中止、監査

平成26年12月16日、個別指導を再開したところ、検査に係る診療報酬が請求されている患者について、検査委託会社からの請求明細書に記載がない例が多数見受けられた。 このことについて、医師は、検査を実施していないにもかかわらず、診療録に不実記載し診療報酬を請求していたことを認めたことから、個別指導を中止し、平成27年1月22日ほか計4回の監査を実施した。

【コメント】
本ケースでは、検査に係る診療報酬が請求されている患者について、検査委託会社の請求明細書の記載が確認され、不正請求を示す事実とされています。厚生局は、不正請求の調査・確認のプロであり、現実にどこまで調査・確認を行うかはケースバイケースですが、不正請求を調査・確認する方法を熟知しているというべきです。厚生局は、医療機関についてどこまでどのような調査・確認を行うか、ケースバイケースで総合的に判断しているものと思われます。

 2 取消相当の理由と不正・不当請求額

1 取消相当の主な理由

第一に、付増請求であり、実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。第二に、振替請求であり、実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。

【コメント】
患者からの情報提供のあった付増請求、また、振替請求が確認され、取消相当の主な理由とされています。故意に不正または不当な診療報酬の請求を行った場合や、重大な過失により不正または不当な診療報酬の請求をしばしば行った場合は、行政上の措置の基準によれば取消しの対象となることになります。

2 不正・不当請求の金額

平成24年1月から平成26年3月までについて、レセプト194件62名分で126万2366円の不正請求が、レセプト9件9名分で1万5225円の不当請求が、監査で判明しています。ただし、この件数・金額は、監査で判明したもののみであり、最終的な確定した金額ではないことに注意が必要です。


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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
患者の不正請求の情報提供の実例の他、多数のコラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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