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処方箋料、院外処方箋での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、指導監査に取り組む弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(165):処方箋料、院外処方箋

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、処方箋料、院外処方箋での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導と監査の対応法

     2 厚生局の新規個別指導の手続き概要


処方箋料、院外処方箋での指摘事項


 1 処方箋料での不適切な算定

処方箋を患者又は現にその看護に当たっている者以外の者に対して交付している。

一般名処方加算
・一般的名称に剤形及び含量の記載がない。
・一般的名称で処方が行われたことについて何らかの記載がない。

[処方料・処方箋料]特定疾患処方管理加算
・算定対象の疾患が主病でない患者について算定している。
・レセプト病名を主病として算定している。
・2以上の診療科にわたり受診している場合において、主病と認められる特定疾患の治療に当たっている診療科以外の診療で算定している。
・[算定対象となる特定疾患以外の疾患に係る薬剤を28日以上処方して・算定対象となる主病に係る薬剤の処方が28日未満であるにもかかわらず]算定している。

 2 院外処方箋での不適切な事例

あらかじめ押印している。

様式が定められたもの又はこれに準ずるものとなっていない。

用法の記載が[ない・不適切である・不十分である]。

用量の記載が[ない・不適切である・不十分である]。

処方医以外の医師名があらかじめ記載されている。

注射器、注射針又はその両者のみを処方箋により投与している。

【コメント】
処方箋料に関して、実際に後発医薬品への変更調剤が行われた場合、保険薬局から薬剤を変更した旨報告があるため、処方医の属する医療機関は、その内容を適切に診療録に反映することが望ましいとされています。

さらに、一の処方薬について、一般名とカッコ書等で銘柄名が併記されている場合、一般名処方加算は算定できないとされています。

また、一般名処方の処方箋を受け付けた保険薬局において先発医薬品を調剤した場合について、処方した薬剤が先発医薬品であるか、後発医薬品であるかにかかわらず、一般名処方に係る処方薬について調剤を行ったときは、実際に調剤した薬剤の銘柄等について、当該調剤に係る処方せんを発行した保険医療機関に情報提供することになっており、ただし、当該保険医療機関との間で、調剤した薬剤の銘柄等に係る情報提供の要否、方法、頻度等に関してあらかじめ合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等により情報提供を行うことで差し支えないとされていますので、注意が求められます。

参考:処方箋料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第5部 投薬
 第5節 処方箋料
<処方箋料>
(1) 医師が処方する投薬量については、予見することができる必要期間に従ったものでなければならず、30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、長期の投薬が可能な程度に病状が安定し、服薬管理が可能である旨を医師が確認するとともに、病状が変化した際の対応方法及び当該保険医療機関の連絡先を患者に周知する。なお、上記の要件を満たさない場合は、原則として次に掲げるいずれかの対応を行うこと。
ア 30日以内に再診を行う。
イ 許可病床数が200床以上の保険医療機関にあっては、患者に対して他の保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る。)に文書による紹介を行う旨の申出を行う。
ウ 患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合には、分割指示に係る処方箋を交付する。

(2) 保険薬局で保険調剤を受けさせるために、患者に保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)に定められている様式の完備した処方箋(院外処方箋)を交付した場合に限り算定し、その処方箋に処方した剤数、投与量(日分数)等の如何にかかわらず、1回として算定する。なお、分割指示に係る処方箋を発行する場合は、保険医療機関及び保険医療養担当規則に定められている様式第二号の二を用いることとし、分割の回数は3回までとする。また、患者に対し、調剤を受ける度に別紙を含む分割指示に係る処方箋の全てを保険薬局に提出するよう指導する。

(3) 同一の保険医療機関が一連の診療に基づいて、同時に、同一の患者に2枚以上の処方箋を交付した場合は、1回として算定する。

(4) 複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で、異なる医師が処方した場合は、それぞれの処方につき処方箋料を算定することができる。

(5) 「1」については、「F100」処方料の(3)に準じるものとする。

(6) 「2」において、処方箋料における内服薬の種類については、「F200」薬剤の「注3」における内服薬の種類と同様の取扱いとする。なお、当該処方に係る内服薬の投薬が6種類以下の場合又は外用薬、屯服薬のみの投薬の場合は「3」で算定する。

(7) 「2」において、臨時的に内服薬の追加投与等を行った結果、1処方につき内服薬が7種類以上となる場合には、処方箋の備考欄にその必要性を記載する。その他、臨時的に内服薬の追加投与を行った場合の取扱いについては「F200」薬剤の(6)に準じるものとする。

(8) 「2」において、「不安若しくは不眠の症状を有する患者に対して1年以上継続して別に厚生労働大臣が定める薬剤の投薬を行った場合」については、「F100」処方料の(6)に準じるものとする。

(9) 同一の患者に対して、同一診療日に、一部の薬剤を院内において投薬し、他の薬剤を院外処方箋により投薬することは、原則として認められない。また、注射器、注射針又はその両者のみを処方箋により投与することは認められない。

(10) 「注2」については、「F100」処方料の(11)に準じるものとする。

(11) 乳幼児加算、特定疾患処方管理加算及び抗悪性腫瘍剤処方管理加算は「F100」処方料の(8)、(9)又は(10)に準じるものとする。ただし、(9)のウに規定する「特定疾患に対する薬剤の処方期間が28日以上」については、「特定疾患に対する薬剤の処方期間が28日以上(リフィル処方箋の複数回の使用による合計の処方期間が28日以上の場合を含む。)」と読み替えるものとする。

(12) 「注6」に規定する一般名処方加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関が、後発医薬品のある医薬品について、薬価基準に収載されている品名に代えて、一般的名称に剤形及び含量を付加した記載(以下「一般名処方」という。)による処方箋を交付した場合に限り算定できるものである。交付した処方箋に含まれる医薬品のうち、後発医薬品のある全ての医薬品(2品目以上の場合に限る。)が一般名処方されている場合には一般名処方加算1を、1品目でも一般名処方されたものが含まれている場合には一般名処方加算2を、処方箋の交付1回につきそれぞれ加算する。品目数については、一般的名称で計算する。ただし、投与経路が異なる場合は、一般的名称が同一であっても、別品目として計算する。 なお、一般名処方とは、単に医師が先発医薬品か後発医薬品かといった個別の銘柄にこだわらずに処方を行っているものである。また、一般名処方を行った場合の(6)の取扱いにおいて、「種類」の計算に当たっては、該当する医薬品の薬価のうち最も低いものの薬価とみなすものとする。

(13) 「注7」については、「F100」処方料の(13)及び(14)に準じるものとする。

(14) 訪問薬剤管理指導との関係
保険薬局に訪問薬剤管理指導を依頼している場合は、当該保険医療機関は「C008」在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できない。保険薬局から情報提供があった場合は、当該保険医療機関は文書を診療録等に添付する。なお、地方厚生(支)局長に届出を行った保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できるのは月に4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者については、週2回かつ月8回)に限られる。

(15) 保険医療機関及び保険医療養担当規則において、投与量に限度が定められている医薬品及び貼付剤については、リフィル処方箋による処方を行うことはできない。

(16) 「注8」において、「直近3月に処方箋を交付した回数が一定以上である保険医療機関が、調剤報酬点数表「00」調剤基本料の4に規定する特別調剤基本料Aを算定する薬局であって、当該保険医療機関から集中的に処方箋を受け付けているものと不動産取引等その他の特別の関係を有する場合」とは、以下のいずれにも該当する医療機関が処方箋を交付する場合をいう。
ア 直近3月の処方箋を交付した回数が12,000回を超えること。
イ 保険薬局(調剤点数表「00」の4に規定する特別調剤基本料Aを算定しているものに限る。)と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険医療機関であること。
ウ 当該特別な関係を有する保険薬局の当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が9割を超えていること。なお、当該保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合については、特掲診療料施設基準通知の第88の2の2の(3)の取扱いに準じる。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
処方箋料、院外処方箋での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(163):投薬、注射、薬剤料

3  指摘事項(164):ビタミン剤

4  指摘事項(165):処方箋料

5  指摘事項(166):精密持続点滴注射加算

6  指摘事項(167):外来化学療法加算

7  指摘事項(168):血漿成分製剤加算

8  指摘事項(169):中心静脈注射用カテーテル挿入

9  指摘事項(170):PICC挿入

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