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施設基準の精神科退院時共同指導料1,精神科退院時共同指導料2での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。

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保険診療での指摘事項(109):精神科退院時共同指導料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、施設基準の精神科退院時共同指導料1(イ 精神科退院時共同指導料(Ⅰ)、ロ 精神科退院時共同指導料(Ⅱ))、精神科退院時共同指導料2での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 診療所への個別指導と弁護士の帯同

     2 診療所への新規個別指導の手続き概要


精神科退院時共同指導料(1,2)での指摘事項


 1 精神科退院時共同指導料の不適切な算定

算定対象外である患者について算定している。

患者又はその家族等に対して支援計画について[文書により情報提供していない・提供した文書の写しについて診療録等への添付がない]。

多職種チームで共同して支援計画を作成していない。

支援計画を作成していない。

イ 精神科退院時共同指導料(Ⅰ)
・共同指導を行う当該保険医療機関の多職種チームに、[精神科の担当医・保健師又は看護師・精神保健福祉士]が参加していない。

[ロ 精神科退院時共同指導料(Ⅱ)・精神科退院時共同指導料2]
・重点的な支援を要する患者に対して、「包括的支援マネジメント 導入基準」のうち該当するものの診療録等への添付又は記載がない。

【コメント】
精神科退院時共同指導料を算定するにあたり、共同指導に参加する必要があるのは、それぞれ以下のとおりとされています。
① 「1」の「イ」については、以下のアからウまでの3職種が必要。
ア 退院後の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の精神科の担当医
イ 退院後の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の保健師又は看護師(以下、「看護師等」という。)
ウ 退院後の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の精神保健福祉士

② 「1」の「ロ」については、以下のア及びイの2職種が必要。
ア 退院の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の精神科の担当医又は看護師等
イ 退院後の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の精神保健福祉士

③ 「2」については、以下のアからウまでの3職種が必要。
ア 入院中の保険医療機関の精神科の担当医
イ 入院中の保険医療機関の看護師等
ウ 入院中の保険医療機関の精神保健福祉士

したがって、「1」の「イ」の対象患者について共同指導を実施する場合は、①の3職種及び③の3職種の少なくとも6職種が参加している必要があり、また、「1」「ロ」の対象患者について共同指導を実施する場合は、②の2職種及び③の3職種の少なくとも5職種が参加している必要があるとされていますので、留意が求められます。

参考:精神科退院時共同指導料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第1部 医学管理等
 第1節 医学管理料等
<精神科退院時共同指導料>
(1) 精神科退院時共同指導料1については、他の保険医療機関の精神病棟に入院中の患者であって、(2)又は(3)に定める患者に対して、当該患者の外来又は在宅療養を担う保険医療機関の多職種チームが、入院中の保険医療機関の多職種チームとともに、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を共同で行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に外来又は在宅療養を担う精神科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、入院中に1回に限り算定すること。

(2) 「1」の「イ」については、精神病棟に入院中の患者であって、精神保健福祉法第29条又は第29条の2に規定する入院措置に係る患者、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号に規定する同法による入院又は同法第42条第1項第2号に規定する同法による通院をしたことがある患者又は当該入院の期間が1年以上の患者(この区分において「措置入院患者等」という。)に対して、当該保険医療機関の多職種チームが、当該患者が入院中の保険医療機関の多職種チームとともに、共同指導を行った場合に算定すること。なお、共同指導を行う当該保険医療機関の多職種チームには、以下のアからウまでの職種がそれぞれ1名以上参加していること。また、必要に応じてエからコまでの職種が参加していること。ただし、アからカまでについては、当該保険医療機関の者に限る。
ア 精神科の担当医
イ 保健師又は看護師(この区分において「看護師等」という。)
ウ 精神保健福祉士
エ 薬剤師
オ 作業療法士
カ 公認心理師
キ 在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等
ク 在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの作業療法士
ケ 市町村若しくは都道府県、保健所を設置する市又は特別区等(この区分において「市町村等」という。)の担当者
コ その他の関係職種

(3) 「1」の「ロ」については、「1」の「イ」以外の患者であって、平成28~30年度厚生労働行政調査推進補助金障害者対策総合研究事業において「多職種連携による包括的支援マネジメントに関する研究」の研究班が作成した、別紙様式51に掲げる「包括的支援マネジメント 実践ガイド」における「包括的支援マネジメント 導入基準」を1つ以上満たした療養生活環境の整備のため重点的な支援を要する患者(この区分において「重点的な支援を要する患者」という。)に対して、当該保険医療機関の多職種チームが、当該患者が入院中の保険医療機関の多職種チームとともに、共同指導を行った場合に算定すること。なお、共同指導を行う当該保険医療機関の多職種チームには、(2)のア又はイ及びウの職種がそれぞれ1名以上参加していること。また、必要に応じてエからコまでの職種が参加していること。ただし、アからカまでについては、当該保険医療機関の者に限る。

(4) 精神科退院時共同指導料2については、精神病棟に入院中の患者であって、措置入院患者等又は重点的な支援を要する患者に対して、入院中の保険医療機関の多職種チームが、当該患者の外来又は在宅療養を担う他の保険医療機関の多職種チームとともに、当該患者の同意を得て、退院後の療養上必要な説明及び指導を共同で行った上で、支援計画を作成し、文書により情報提供した場合に入院医療を担う保険医療機関において、入院中に1回に限り算定すること。

(5) 「2」については、(4)に規定する患者に対して、当該保険医療機関の精神科の医師、看護師等及び精神保健福祉士並びに必要に応じて薬剤師、作業療法士、公認心理師、在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等若しくは作業療法士又は市町村等の担当者等が共同指導を行った場合に算定すること。

(6) 重点的な支援を要する患者に対して共同指導を実施する場合、「包括的支援マネジメ ント導入基準」のうち該当するものを診療録等に添付又は記載すること。

(7) 共同指導の実施及び支援計画の作成に当たっては、平成28~30年度厚生労働行政調査推進補助金障害者対策総合研究事業において「多職種連携による包括的支援マネジメントに関する研究」の研究班が作成した、「包括的支援マネジメント 実践ガイド」を参考にすること。なお、患者又はその家族等に対して提供する文書については、別紙様式51の2「療養生活の支援に関する計画書」を用いること。また、当該文書の写しを診療録等に添付すること。

(8) 共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。なお、ビデオ通話が可能な機器を用いる場合、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(9) 精神科退院時共同指導料は、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならない。

(10) 精神科退院時共同指導料を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、当該指導料の対象となる患者の状態について記載すること。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
施設基準の精神科退院時共同指導料1(イ 精神科退院時共同指導料(Ⅰ)、ロ 精神科退院時共同指導料(Ⅱ))、精神科退院時共同指導料2での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(91):こころの連携指導料(Ⅰ)

3  指摘事項(92):こころの連携指導料(Ⅱ)

4  指摘事項(93):プログラム医療機器等指導管理

5  指摘事項(94):退院時リハビリテーション指導

6  指摘事項(95):退院前訪問指導料

7  指摘事項(96):退院後訪問指導料

8  指摘事項(97):薬剤総合評価調整管理料

9  指摘事項(98):診療情報提供料(Ⅰ)

10 指摘事項(99):退院時診療状況添付加算

11 指摘事項(100):検査・画像情報提供加算

12 指摘事項(101):電子的診療情報評価料

13 指摘事項(102):診療情報提供料(Ⅱ)

14 指摘事項(103):診療情報連携共有料

15 指摘事項(104):連携強化診療情報提供料

16 指摘事項(105):薬剤情報提供料

17 指摘事項(106):がんゲノムプロファイリング

18 指摘事項(107):栄養情報連携料

19 指摘事項(108):療養費同意書交付料

20 指摘事項(109):精神科退院時共同指導料

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