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訪問看護ステーションの厚生局の個別指導、監査のコラムです。厚生局の指定訪問看護事業者への個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(18):訪問看護ステーション個別指導

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、指定看護訪問事業者の指定の取消の実例となりますが、情報提供で訪問看護ステーションに厚生局の個別指導が実施され、架空請求などの疑義が解消されず、監査に移行し、指定訪問看護事業者の指定の取消の行政処分となった実例ををご紹介します。関東信越厚生局の令和元年9月付けの指定の取消の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、厚生局の指導監査の基本的な流れ、実施状況など記載していますので、まずはこちらのコラム厚生局の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


訪問看護ステーションへの個別指導、監査の実例


 1 監査に至った経緯

1 匿名の者からの不正請求の情報提供

匿名の者から、訪問看護ステ−ションで、訪問看護の提供を受けていない日であるにもかかわらず、訪問看護療養費が請求されている旨の情報提供があった。

【コメント】
いわゆる診療所・病院ではありませんが、訪問看護ステーションに関しても、厚生局の個別指導、監査の仕組みがあり、(異なる部分もありますが)医科の保険医療機関への個別指導、監査と類似の仕組みとなっています。

厚生局の訪問看護ステーションへの個別指導、監査に関する基本的な取扱いの考え方も、類似しているというべきで、個別指導から監査への移行の勘所など、共通している部分があると考えられます。

以上のため、訪問看護ステーションで個別指導となった場合などは、医科、歯科、薬局での厚生局の指導監査のノウハウが活用できるというべきですし、逆に、訪問看護ステーションでの厚生局の指導監査の知見が、医歯薬での指導監査にも活用できると思われます。

本ケースでは、いわゆる日数の水増しの不正請求の情報提供があり、厚生局の個別指導の実施に至っています。

2 不正請求の疑義での監査への移行

以上を受け、個別指導を実施したところ、利用者が入院期間中であるにもかかわらず訪問看護療養費が請求されている等の不正が強く疑われたため、個別指導を中止し、監査要綱の第3の1及び2に該当するものとして、平成27年3月6日から平成29年1月26日まで計13日間の監査を実施した。

【コメント】
実際には行っていない日に行ったことにして請求する、いわゆる日数の水増し請求(付け増し請求)においては、厚生局側が来ていないことを示す一定の裏付けを有している場合は、厳しい姿勢で追及してくることになります。一定の裏付けとは、例えば、本ケースのように入院中であるケースや、海外へ渡航していたケースなどが例えばあり得ます。極端な例では、既に死亡していたケースなどもあります。また、指導での持参資料で矛盾や不整合などあれば、それも裏付けの一つとなると考えられます。

厚生局としては、被個別指導者の言い分や、関係者の主張、関係資料等での裏付けの具合などを総合的に勘案した上で、客観的な証拠の有無も考慮しつつ、監査への移行を判断しているものと考えられます。これは、訪問看護ステーションへの個別指導、監査に限らず、厚生局の保険医療機関等への指導監査に広く妥当するものと思われます。

 2 取消の理由と不正金額

1 取消の主な理由

第一に、架空請求であり、実際に行っていない指定訪問看護を行ったものとして、訪問看護療養費を不正に請求していた。第二に、付増請求であり、実際に行った指定訪問看護に行っていない指定訪問看護を付け増して、訪問看護療養費を不正に請求していた。

【コメント】
本ケースでは、架空請求も認定されており、レセプト単位で考えて、そのレセプトの請求の内容が全く実態がなくすべて不正であった例が認められたことになります。架空請求は、不正請求のなかで特に悪質性が高いものであり、経験的には、架空請求がしばしば見受けられる場合は、付増請求などのその他の不正請求もしばしば行われているケースがあります。そういった背景もあり、厚生局は、架空請求に特に厳しい姿勢で対応しているものと思われます。

監査で判明した不正件数は12件ですが、厚生局が他の請求部分については正しい請求が行われていたと確認したわけではありませんので、注意が必要です。

なお、本ケースでは、処分における留意事項として、厚生局は、当該事業所に対しては、利用者への継続した訪問看護の提供のため、円滑な移行手続きを行うように指示している、また、関係機関に対しては、利用者からの相談があった際に適切に対応していただけるよう情報提供を行っている、としています。

2 不正の金額

12件54万7554円の不正請求が監査で判明しています。


厚生局の個別指導、監査に臨む指定訪問看護事業者(訪問看護ステーション)の方はお電話下さい。
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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
訪問看護ステーションの個別指導、監査の他、多数コラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

14 医師の無診察の不正請求

15 医師の無診察治療での個別指導

16 再指導の個別指導からの監査

17 刑事事件の有罪判決(詐欺)での取消相当

18 訪問看護ステーションの個別指導

19 子供の診療での不正請求

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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