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コンタクトレンズの不正請求での厚生局の監査のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(5):コンタクトレンズの不正請求

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

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ここでは、捜査機関からの診療報酬の請求方法についての照会から保健医療機関のコンタクトレンズの不正請求が疑われ、監査となりコンタクトレンズに係る振替請求などで指定の取消相当となった実例(不正請求での取消相当)をご紹介します。近畿厚生局の平成27年7月付けの取消相当の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、厚生局の指導監査の基本的な流れ、実施状況など記載していますので、まずはこちらのコラム厚生局の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


コンタクトレンズの不正請求での厚生局の監査


 1 監査に至った経緯

1 コンタクトレンズに係る不正請求の疑義

厚生労働省職員の収賄事件に関連して、平成22年10月に大阪府警察本部から厚生労働省に対してコンタクトレンズ処方に係る診療報酬の請求方法の適否について照会があり、コンタクトレンズ装用を目的に受診した患者に対してコンタクトレンズ検査料を算定せず、他の眼科学的検査料を算定するという方法により、不正請求(振替請求)を行っている保険医療機関の存在が疑われた。

【コメント】
厚生局の指導監査の端緒の一つとして、捜査機関からの照会があります。捜査機関が保健医療機関の保険診療の不正請求で動いている場合、厚生局としても、重大なケースとして、積極的に指導監査の枠組みでの対応を検討するものと思われます。刑事手続きでの刑事罰と厚生局の保健医療機関の取消は別の枠組みであり、相互に影響はあり得るものの、基本的には別の手続きとして進められます。ただ、厚生局が取消としても捜査機関が詐欺などで動くケースは多くはなく、逆に、捜査機関が不正請求の詐欺などで立件し有罪判決となった場合は、厚生局も後追い的に手続きを進め取消とするケースが稀ではないという印象です。

コンタクトレンズの不正請求は、マスコミに取り上げられた時期があり、そういった社会的な背景があると、捜査機関や厚生局は、積極的に当該不正について取り組む傾向があると思われます。現実的に、厚生局としては、厚生局に情報提供等のあったすべての不正請求の疑義について調査することは困難ですので、組織的であるなど悪質なケース、重大なケース、社会的影響が大きいケース、証拠がそろっているケースなどを選別して、取り組んでいるものと思われます。

2 コンタクトレンズ不正請求の医院の特定

その後、当該請求方法は、ある特定の会社(以下「特定会社」という。)が関係するコンタクトレンズ販売店に近接した眼科診療所のものであることが確認された。

【コメント】
本ケースでは、特定会社が関係するコンタクトレンズ販売店に近接した眼科診療所について、不正請求の疑義が生じています。

3 不正請求の疑義から監査の実施

以上により、特定会社が関係するコンタクトレンズ販売店に隣接して開設された当該眼科診療所において、不正な診療又は診療報酬請求が行われていることが強く疑われたことから、監査を実施した。

【コメント】
厚生局の指導監査の現在の運用では、原則的には個別指導が実施され、その上で場合により監査が実施されますが、本ケースでは、個別指導は実施されず、直ちに監査が実施されています。一般論としては、対象の医療機関が既に廃止されている場合は現在の運用では厚生局は個別指導の実施ができず、当該医療機関の過去の診療について不正請求の疑義がある場合、直ちに監査が実施されることがあります。

 2 取消相当の理由と不正・不当請求額

1 取消相当の主な理由

振替請求であり、実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。具体的には、コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行ったものについて、本来、コンタクトレンズ検査料2で請求すべきであるにもかかわらず、個々の検査料を出来高で請求していた。また、屈折異常で継続的に受診しているコンタクトレンズ装用目的の患者に対し、本来、再診料で請求すべきであるにもかかわらず、初診料を請求していた。そして、このことにより、本来請求できない電子化加算も併せて請求していた。

【コメント】
コンタクトレンズ検査料について、当時、コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に眼科学的検査を行った場合は、コンタクトレンズに係る診療を包括的に評価したコンタクトレンズ検査料1または同検査料2を算定し、コンタクトレンズ検査料を算定した場合は、他の眼科学的検査料は算定できないとされています。本ケースは、このルールに反し、上記振替請求を行っていました。

2 不正・不当請求の金額

平成21年10月から平成22年8月までについて、レセプト56件26名分で12万5342円の不正請求が、レセプト34件22名分で1722円の不当請求が、監査で判明しています。ただし、この件数・金額は、監査で判明したもののみであり、最終的な確定した金額ではないことに注意が必要です。


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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
厚生局の監査(コンタクトレンズの不正請求)の実例の他、多数のコラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

14 医師の無診察の不正請求

15 医師の無診察治療での個別指導

16 再指導の個別指導からの監査

17 刑事事件の有罪判決(詐欺)での取消相当

18 訪問看護ステーションの個別指導

19 子供の診療での不正請求

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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