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終夜睡眠ポリグラフィー(携帯用装置、多点感圧センサーを有する睡眠評価装置、それ以外)での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。

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保険診療での指摘事項(156):終夜睡眠ポリグラフィー

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、終夜睡眠ポリグラフィー(1 携帯用装置を使用した場合、2 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合、3 1及び2以外の場合)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導と監査の対応法

     2 厚生局の新規個別指導の手続き概要


終夜睡眠ポリグラフィー(1,2,3)での指摘事項


 1 終夜睡眠ポリグラフィーの不適切な算定

診療録への検査結果の要点の記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

【コメント】
終夜睡眠ポリグラフィー(多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合)の算定要件に、「多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用する場合は・・・・睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用し、解析を行った場合に算定する。」とあり、「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、6月に1回を限度として算定できる。」と示されているが、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定していない患者で、既に睡眠時無呼吸症候群と確定診断されている患者は算定できないとされています。

さらに、終夜睡眠ポリグラフィー(多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合)の算定要件に、「経皮的動脈血酸素飽和度及び終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれる。」とあり、「数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。」と示されているが、診断が確定するまでの間が「一連のもの」の期間であるとされています。

また、終夜睡眠ポリグラフィーについて、「心疾患、神経筋疾患(脳血管障害を含む。)又は呼吸器疾患(継続的に治療を行っている場合に限る。)」とは具体的に、例えば、複数の治療薬や酸素療法を行っている患者、冠動脈治療後の冠動脈疾患の患者、確定診断されている神経筋疾患の患者であって何らかの症状を有する者(この場合は、必ずしも内服治療や呼吸管理を行っている必要はなく、継続的な通院及び管理がなされていればよいものとする。)等、安全精度管理下に当該検査を実施する医学的必要性が認められるものが該当し、なお、高血圧のみの患者や、内服治療を受けているが無症状の脳血管障害の患者等、当該検査の医学的必要性が認められない場合は該当しないとされていますので、注意が必要です。

参考:終夜睡眠ポリグラフィーに関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第3部 検査
 第3節 生体検査料
<終夜睡眠ポリグラフィー>
(1) 「1 携帯用装置を使用した場合」
ア 問診、身体所見又は他の検査所見から睡眠時呼吸障害が強く疑われる患者に対し、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用した場合に算定する。なお、「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者又は当該保険医療機関からの依頼により睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置を製作した歯科医療機関から検査の依頼を受けた患者については、治療の効果を判定するため、6月に1回を限度として算定できる。
イ 鼻呼吸センサー又は末梢動脈波センサー、気道音センサーによる呼吸状態及び経皮的センサーによる動脈血酸素飽和状態を終夜連続して測定した場合に算定する。この場合の「D214」脈波図、心機図、ポリグラフ検査、「D223」経皮的動脈血酸素飽和度測定及び「D223-2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれる。
ウ 数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。
エ 診療録に検査結果の要点を記載する。

(2) 「2 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合」
ア 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用する場合は、パルスオキシメーターモジュールを組み合わせて行い、問診、身体所見又は他の検査所見から睡眠時呼吸障害が強く疑われる患者に対し、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用し、解析を行った場合に算定する。
イ 「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者又は当該保険医療機関からの依頼により睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置を製作した歯科医療機関から検査の依頼を受けた患者については、治療の効果を判定するため、6月に1回を限度として算定できる。
ウ 「D223」経皮的動脈血酸素飽和度測定及び「D223-2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれる。
エ 数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。
オ 診療録に検査結果の要点を記載する。

(3) 「3 1及び2以外の場合」の「イ 安全精度管理下で行うもの」
ア 次のいずれかに該当する患者等であって、安全精度管理下に当該検査を実施する医学的必要性が認められるものに該当する場合に、1月に1回を限度として算定する。なお、「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、初回月に限り2回、翌月以後は1月に1回を限度として算定する。なお、診療報酬明細書の摘要欄に下記(イ)から(ホ)までのいずれかの要件を満たす医学的根拠を記載すること。
(イ) 以下のいずれかの合併症を有する睡眠関連呼吸障害の患者
① 心疾患、神経筋疾患(脳血管障害を含む。)又は呼吸器疾患(継続的に治療を行っている場合に限る。)
② BMI35以上の肥満
③ 生活に常時介護を要する認知機能障害
(ロ) 以下のいずれかの睡眠障害の患者
① 中枢性過眠症
② パラソムニア
③ 睡眠関連運動障害
④ 睡眠中多発するてんかん発作
(ハ) 13歳未満の小児の患者
(ニ) 「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者であって、(イ)~(ハ)で治療の効果を判定するため、安全精度管理下にCPAPを用いて当該検査を実施する医学的必要性が認められる患者
(ホ) その他、安全精度管理が医学的に必要と主治医が認める患者
イ 当該検査を実施するに当たっては、下記(イ)から(ニ)までに掲げる検査の全て(睡眠時呼吸障害の疑われない患者については(イ)のみ)を、当該患者の睡眠中8時間以上連続して当該保険医療機関内で測定し、記録すること。また、当該検査は、専ら当該検査の安全及び精度の確保を担当する医師、看護師又は臨床検査技師の下で実施することとし、原則として当該検査の実施中に他の業務を兼任しないこと。
(イ) 8極以上の脳波、眼球運動及びおとがい筋筋電図
(ロ) 鼻又は口における気流の検知
(ハ) 胸壁及び腹壁の換気運動記録
(ニ) パルスオキシメーターによる動脈血酸素飽和度連続測定
ウ 脳波等の記録速度は、毎秒1.5センチメートル以上のものを標準とする。
エ 同時に行った検査のうち、「D200」スパイログラフィー等検査から本区分「2」までに掲げるもの及び「D239」筋電図検査については、併せて算定できない。
オ 測定を開始した後、患者の覚醒等やむを得ない事情により、当該検査を途中で中絶した場合には、当該中絶までに施行した検査に類似する検査項目によって算定する。
カ 診療録に、検査結果の要点を記載し、検査中の安全精度管理に係る記録を添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に、安全精度管理を要した患者の診断名(疑い病名を含む。)、検査中の安全精度管理を担当した従事者の氏名、検査中の安全精度管理に係る記録及び検査結果の要点を記載すること。また、合併症を有する睡眠関連呼吸障害の患者に対して実施した場合は、当該患者の継続的な治療の内容、BMI又は日常生活の状況等の当該検査を実施する医学的な必要性についても診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(4) 「3 1及び2以外の場合」の「ロ その他のもの」
ア 他の検査により睡眠中無呼吸発作の明らかな患者に対して睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として行った場合及び睡眠中多発するてんかん発作の患者又はうつ病若しくはナルコレプシーであって、重篤な睡眠、覚醒リズムの障害を伴うものの患者に対して行った場合に、1月に1回を限度として算定する。なお、「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、初回月に限り2回、翌月以後は1月に1回を限度として算定できる。当該検査を実施するに当たっては、下記(イ)から(ニ)までに掲げる検査の全て(睡眠時呼吸障害の疑われない患者については(イ)のみ)を当該患者の睡眠中8時間以上連続して測定し、記録する。
(イ) 脳波、眼球運動及びおとがい筋筋電図
(ロ) 鼻又は口における気流の検知
(ハ) 胸壁及び腹壁の換気運動記録
(ニ) パルスオキシメーターによる動脈血酸素飽和度連続測定
イ 脳波等の記録速度は、毎秒1.5センチメートル以上のものを標準とする。
ウ 同時に行った検査のうち、「D200」スパイログラフィー等検査から本区分「2」までに掲げるもの及び「D239」筋電図検査については、併せて算定できない。
エ 測定を開始した後、患者の覚醒等やむを得ない事情により、当該検査を途中で中絶した場合には、当該中絶までに施行した検査に類似する検査項目によって算定する。
オ 診療録に検査結果の要点を記載する。



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医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
終夜睡眠ポリグラフィー(携帯用装置、多点感圧センサーを有する睡眠評価装置、それ以外)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(147):検査、画像診断、病理診断

3  指摘事項(148):尿沈渣(鏡検法)

4  指摘事項(149):腫瘍マーカー

5  指摘事項(150):前立腺特異抗原(PSA)

6  指摘事項(151):ヘリコバクター・ピロリ

7  指摘事項(152):抗シトルリン化ペプチド

8  指摘事項(153):超音波検査

9  指摘事項(154):残尿測定検査

10 指摘事項(155):呼吸心拍監視

11 指摘事項(156):終夜睡眠ポリグラフィー

12 指摘事項(157):神経学的検査

13 指摘事項(158):平衡機能検査

14 指摘事項(159):画像診断管理加算

15 指摘事項(160):ポジトロン断層撮影

16 指摘事項(161):PET/CT

17 指摘事項(162):病理診断管理加算

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