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施設基準の精神科ショート・ケア(1小規模,2大規模)での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。個別指導は弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(198):精神科ショート・ケア

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、施設基準の精神科ショート・ケア(1 小規模なもの,2 大規模なもの)での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導と弁護士の同席

     2 厚生局の新規個別指導の手続き概要


精神科ショート・ケア(1,2)での指摘事項


 1 精神科ショート・ケアの不適切な算定

診療の要点について診療録等への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

診療時間について診療録等への記載が[ない・不適切である]。

週4日以上算定できる場合に該当しないにもかかわらず、算定している。

1日につき3時間以上実施していない場合に算定している。

【コメント】
精神科ショート・ケアは、精神科デイ・ケアと同時実施が可能であり、精神科ショート・ケアの専従の従事者は、要件を満たす範囲で、デイ・ケアとの兼務も可能であるとされています。

さらに、精神科デイ・ケアと精神科ショート・ケアを同時に届出し同一施設で実施している保険医療機関において、デイ・ケアの予定で来院した患者がショートケアの時間帯のみ実施した場合に、ショート・ケアの算定は可能であるとされています。

また、精神科ショート・ケアの疾患別等専門プログラム加算について、精神科ショート・ケア(大規模)の届出を行っている保険医療機関であっても、精神科ショート・ケア(小規模)の届出をあわせて行っていれば、精神科ショート・ケア(小規模)において当該加算を算定することは可能であるとされていますので、留意が求められます。

参考:精神科ショート・ケアに関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第8部 精神科専門療法
 第1節 精神科専門療法料
<精神科ショート・ケア>
(1) 精神科ショート・ケアは、精神疾患を有する者の地域への復帰を支援するため、社会生活機能の回復を目的として個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき3時間を標準とする。なお、治療上の必要がある場合には、病棟や屋外など、専用の施設以外において当該療法を実施することも可能であること。

(2) 「大規模なもの」については、多職種が共同して疾患等に応じた診療計画を作成した場合に算定する。なお、診療終了後に当該計画に基づいて行った診療方法や診療結果について評価を行い、その要点を診療録等に記載している場合には、参加者個別のプログラムを実施することができる。

(3) 精神科ショート・ケアは入院中の患者以外の患者に限り算定する。精神科ショート・ケアを算定している患者に対しては、同一日に行う他の精神科専門療法(他の保険医療機関において実施するものも含む。)は、別に算定できない。ただし、他の医療機関に入院中の患者であって、退院を予定しているもの(「I011」に掲げる精神科退院指導料を算定したもの又は「A318」地域移行機能強化病棟入院料を算定している患者であって、指定特定相談支援事業者等において、退院後の生活を念頭に置いたサービス等利用計画が作成されているものに限る。)に対しては、退院支援の一環として、当該他の医療機関の入院中1回に限り算定できる。この場合、当該他の医療機関に照会を行い、退院を予定しているものであること、入院料等について他医療機関を受診する場合の取扱いがなされていること、他の医療機関を含め、入院中に精神科ショート・ケアの算定のないことを確認すること。また、精神科ショート・ケアに引き続き、同一日に、患家又は社会復帰施設等において精神科訪問看護・指導を行う場合は、退院後3か月以内に限り、精神科訪問看護・指導料を算定できるものとする。

(4) 同一の保険医療機関で精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケア、精神科ナイト・ケア又は精神科デイ・ナイト・ケア(以下「精神科デイ・ケア等」という。)を開始した日から起算して1年を超える場合には、精神科ショート・ケアの実施回数にかかわらず、算定は1週間に5日を限度とする。ただし、週4日以上算定できるのは、以下のいずれも満たす場合に限られること。
ア 少なくとも6月に1回以上医師が精神科デイ・ケア等の必要性について精神医学的な評価を行っていること。継続が必要と判断した場合には、その理由を診療録に記載すること。
イ 少なくとも6月に1回以上、精神保健福祉士又は公認心理師が患者の意向を聴取していること。
ウ 精神保健福祉士等が聴取した患者の意向を踏まえ、医師を含む多職種が協同して、患者の意向及び疾患等に応じた診療計画を作成していること。診療計画には、短期目標及び長期目標、必要なプログラム内容と実施頻度、精神科デイ・ケア等を必要とする期間等を記載すること。医師は、作成した診療計画を患者又は家族等に説明し、精神科デイ・ケア等の実施について同意を得ること。
エ 当該保険医療機関が以下のいずれかの要件を満たしていること。
(イ) 直近6月の各月について、次の(a)に掲げる数を(b)に掲げる数で除して算出した数値の平均が0.8未満であること。
(a) 当該月において、14回以上精神科デイ・ケア等を実施した患者の数
(b) 当該月において、1回以上精神科デイ・ケア等を実施した患者の数
(ロ) 直近1か月に1回以上精神科デイ・ケア等を実施した患者について、当該保険医療機関の精神科デイ・ケア等を最初に算定した月から当該月末までの月数の平均が、12か月未満であること。

(5) 月14回以上精神科デイ・ケア等を実施した患者の数等について、毎年10月に「別紙様式31」を用いて地方厚生(支)局長に報告すること。

(6) 精神科ショート・ケアと精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの届出を併せて行っている保険医療機関にあっては、精神科ショート・ケアと精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアを各々の患者に対して同時に同一施設で実施することができる。この場合、精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアを算定する患者は、各々に規定する治療がそれぞれ実施されている場合に限り、それぞれ算定できる。なお、同一日に実施される精神科ショート・ケアの対象患者数と精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの対象患者数の合計は、精神科デイ・ケア又は精神科ナイト・ケアの届出に係る患者数の限度を超えることはできない。この場合において、精神科ショート・ケアの対象患者数の計算に当たっては、精神科デイ・ケアの対象患者数の2分の1として計算する。

(7) 当該療法に要する消耗材料等については、当該保険医療機関の負担とする。

(8) 「注4」に規定する早期加算の対象となる患者は、当該療法の算定を開始してから1年以内又は精神病床を退院して1年以内の患者であること。

(9) 「注5」については、入院中の患者であって、退院を予定しているもの(「Ⅰ011」に掲げる精神科退院指導料を算定したもの又は「A318」地域移行機能強化病棟入院料を算定している患者であって、指定特定相談支援事業者等において、退院後の生活を念頭に置いたサービス等利用計画が作成されているものに限る。)に対して、精神科ショート・ケアを行う場合に、入院中1回に限り算定できる。

(10) 「注7」については、概ね 40 歳未満の患者で構成される10人以下の患者グループに対し、あらかじめ治療内容や到達目標を示した治療計画を作成し、個々の患者に説明し、治療の目的について患者本人が理解できるよう文書で説明し同意を得た上で、治療計画に従って、2名の従事者が当該患者グループに対し精神科ショート・ケアを実施した場合に、40歳未満の患者についてそれぞれ算定する。当該加算は、あらかじめ治療計画に記載された治療期間のみ算定できる。一連の治療計画に従って精神科ショート・ケアを実施している間は、患者グループを構成する患者は固定されることが望ましいが、患者グループの人数が10人に満たない場合であって、既に患者グループを構成する患者の治療に支障のない場合には、治療計画の途中で新たな患者を患者グループに加えることも差し支えない。なお、自閉症スペクトラム及びその近縁の発達障害の患者に対する精神科ショート・ケアの実施に当たっては、「発達障害専門プログラム」(日本医療研究開発機構「発達障害者の特性をふまえた精神科ショートケア・プログラムの開発と臨床応用に関する研究」において作成)を参考に行うことが望ましい。

(11) 「注7」の対象患者は、自閉症スペクトラム及びその近縁の発達障害、薬物依存症若しくは病的賭博のいずれかの疾患を有する患者又はこれらの複数の疾患を併せ持つ患者とする。一連の治療計画において治療の対象となる疾患はいずれか一つであり、例えば自閉症スペクトラムの治療のために精神科ショート・ケアを実施する患者と薬物依存症のために精神科ショート・ケアを実施する患者が、治療計画を共有する同一の患者グループを構成することはできない。また、入院中の患者についても注7に規定する加算を算定することができるが、この場合「注5」の規定における「所定点数」には注7に規定する加算を含まないこと。

(12) 入院中の患者が精神科ショート・ケアを行う場合は、対象患者数に含めること。

(13) 精神科ショート・ケアを行った場合は、その要点及び診療時間を診療録等に記載する。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
施設基準の精神科ショート・ケア(1 小規模,2 大規模)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(188):入院精神療法

3  指摘事項(189):通院精神療法

4  指摘事項(190):在宅精神療法

5  指摘事項(191):経頭蓋磁気刺激療法

6  指摘事項(192):精神科継続外来支援・指導料

7  指摘事項(193):標準型精神分析療法

8  指摘事項(194):認知療法・認知行動療法

9  指摘事項(195):心身医学療法

10 指摘事項(196):入院集団精神療法

11 指摘事項(197):精神科作業療法

12 指摘事項(198):精神科ショート・ケア

13 指摘事項(199):精神科デイ・ケア

14 指摘事項(200):精神科ナイト・ケア

15 指摘事項(201):精神科デイ・ナイト・ケア

16 指摘事項(202):精神科訪問看護・指導料

17 指摘事項(203):精神科訪問看護指示料

18 指摘事項(204):持続性抗精神病注射薬剤治療

19 指摘事項(205):治療抵抗性統合失調症治療

20 指摘事項(206):医療保護入院等診療料

21 指摘事項(207):重度認知症患者デイ・ケア料

22 指摘事項(208):精神科在宅患者支援管理料

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