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精神科訪問看護指示料での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、指導監査に取り組む弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(203):精神科訪問看護指示料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、精神科訪問看護指示料での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導と弁護士の同席

     2 厚生局の新規個別指導の手続き概要


精神科訪問看護指示料での指摘事項


 1 精神科訪問看護指示料の不適切な算定

交付した精神科訪問看護指示書等の写しを診療録に添付していない。

精神科訪問看護指示書又は精神科特別訪問看護指示書の「複数名訪問の必要性」が「あり」の場合に、理由の記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

【コメント】
精神科訪問看護指示料の算定に関して、精神科訪問看護指示書の交付により、精神科以外の診療所に外来通院中の精神疾患を有する患者に対して訪問を行うことについて、精神科以外の疾患については、その担当科の医師から診療情報の提供を受け、それを踏まえて精神科医が、訪問看護の必要性があると判断し、精神科訪問看護指示書を交付した場合は、可能であるとされています。

また、精神科訪問看護指示料の算定に関して、衛生材料等提供加算は、精神科訪問看護指示料を算定した月にのみ算定可能であるとされていますので、留意が求められます。

参考:精神科訪問看護指示料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第8部 精神科専門療法
 第1節 精神科専門療法料
<精神科訪問看護指示料>
(1) 精神科訪問看護指示料は、入院中以外の精神疾患を有する患者であって、適切な在宅医療を確保するため、指定訪問看護に関する指示を行うことを評価するものであり、患者の診療を担う保険医(精神科の医師に限る。)が診療に基づき指定訪問看護の必要性を認め、当該患者又はその家族等の同意を得て、別紙様式17を参考に作成した精神科訪問看護指示書に有効期間(6月以内に限る。)を記載して、当該患者又はその家族等が選定する訪問看護ステーションに対して交付した場合に算定する。なお、1か月の指示を行う場合には、精神科訪問看護指示書に有効期間を記載することを要しない。

(2) 精神科訪問看護指示書を交付した保険医(精神科の医師に限る。)は、在宅療養に必要な衛生材料及び保険医療材料(以下「衛生材料等」という。)の量の把握に努め、十分な量の衛生材料等を患者に支給すること。

(3) 精神科訪問看護の指示は、当該患者に対して主として診療を行う保険医療機関が行うことを原則とし、退院時に1回算定できるほか、在宅で療養を行っている患者について月1回に限り算定できる。なお、同一月において、1人の患者について複数の訪問看護ステーションに対して訪問看護指示書を交付した場合であっても、当該指示料は、1月に1回を限度に算定するものであること。ただし、A保険医療機関と特別の関係にあるB保険医療機関において「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料及び精神科訪問看護・指導料を算定している月においては、A保険医療機関は当該患者について「C007」訪問看護指示料は算定できない。

(4) 「注2」に規定する精神科特別訪問看護指示加算は、当該患者が服薬中断等により急性増悪した場合であって、当該患者の診療を担う保険医(精神科の医師に限る。)が、一時的に頻回の指定訪問看護を当該患者に対して行う必要性を認め、当該患者又はその家族等の同意を得て、別紙様式17の2を参考に作成した精神科特別訪問看護指示書を、当該患者等が選定する訪問看護ステーションに対して交付した場合に、月1回に限り算定する。ここでいう一時的に頻回の指定訪問看護を行う必要性とは、恒常的な頻回の指定訪問看護
の必要性ではなく、状態の変化等で日常行っている指定訪問看護の回数では対応できない場合であること。また、その理由等については、精神科特別訪問看護指示書に記載すること。 なお、当該頻回の指定訪問看護は、当該特別の指示に係る診療の日から14日以内に限り実施するものであること。

(5) 患者の診療を行った精神科の医師は、指定訪問看護の必要性を認めた場合には、診療に基づき速やかに精神科訪問看護指示書及び精神科特別訪問看護指示書(以下この項において「精神科訪問看護指示書等」という。)を作成すること。当該精神科訪問看護指示書等には、緊急時の連絡先として、診療を行った保険医療機関の電話番号等を必ず記載した上で、訪問看護ステーションに交付すること。また、当該精神科訪問看護指示書等には、原則として主たる傷病名の傷病名コードを記載すること。なお、精神科訪問看護指示書等は、特に患者の求めに応じて、患者又はその家族等を介して訪問看護ステーションに交付できるものであること。

(6) 主治医は、交付した精神科訪問看護指示書等の写しを診療録に添付すること。

(7) 患者の診療を担う保険医(精神科の医師に限る。)は、当該精神科訪問看護指示書交付後であっても、患者の病状等に応じてその期間を変更することができるものであること。なお、指定訪問看護の指示を行った保険医療機関は、訪問看護ステーションからの対象患者について相談等があった場合には、懇切丁寧に対応すること。

(8) 「注3」に規定する手順書加算は、当該患者の診療を担う保険医(精神科の医師に限る。)が、診療に基づき、訪問看護において保健師助産師看護師法第37条の2第2項第1号に規定する特定行為(訪問看護において専門の管理を必要とするものに限る。)に係る管理の必要を認め、同項第2号に規定する手順書を当該患者が選定する訪問看護ステーション等の看護師(同項第5号に規定する指定研修機関において行われる研修を修了した者に限る。)に対して交付した場合に、患者1人につき6月に1回を限度として算定する。手順書を交付した保険医(精神科の医師に限る。)は当該訪問看護ステーション等の当該看護師と共に、患者の状態に応じて手順書の妥当性を検討すること。なお、特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものとは、以下のアからキまでに掲げるものをいう。
ア 気管カニューレの交換
イ 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
ウ 膀胱ろうカテーテルの交換
エ 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
オ 創傷に対する陰圧閉鎖療法
カ 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
キ 脱水症状に対する輸液による補正

(9) 「注4」に規定する衛生材料等提供加算は、在宅療養において衛生材料等が必要な患者に対し、当該患者へ精神科訪問看護を実施している訪問看護ステーションから提出された精神科訪問看護計画書及び精神科訪問看護報告書を基に、療養上必要な量について判断の上、必要かつ十分な量の衛生材料等を患者に支給した場合に算定する。

(10) 「C002」在宅時医学総合管理料、「C002-2」施設入居時等医学総合管理料、「C003」在宅がん医療総合診療料、「C005-2」在宅患者訪問点滴注射管理指導料、第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料を算定した場合は、「注4」に規定する加算は当該管理料等に含まれ別に算定できない。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
精神科訪問看護指示料での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(188):入院精神療法

3  指摘事項(189):通院精神療法

4  指摘事項(190):在宅精神療法

5  指摘事項(191):経頭蓋磁気刺激療法

6  指摘事項(192):精神科継続外来支援・指導料

7  指摘事項(193):標準型精神分析療法

8  指摘事項(194):認知療法・認知行動療法

9  指摘事項(195):心身医学療法

10 指摘事項(196):入院集団精神療法

11 指摘事項(197):精神科作業療法

12 指摘事項(198):精神科ショート・ケア

13 指摘事項(199):精神科デイ・ケア

14 指摘事項(200):精神科ナイト・ケア

15 指摘事項(201):精神科デイ・ナイト・ケア

16 指摘事項(202):精神科訪問看護・指導料

17 指摘事項(203):精神科訪問看護指示料

18 指摘事項(204):持続性抗精神病注射薬剤治療

19 指摘事項(205):治療抵抗性統合失調症治療

20 指摘事項(206):医療保護入院等診療料

21 指摘事項(207):重度認知症患者デイ・ケア料

22 指摘事項(208):精神科在宅患者支援管理料

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