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再診料の外来管理加算の医療機関への厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(9):外来管理加算

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、再診料に係る外来管理加算での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導と弁護士の同席

     2 厚生局新規個別指導の手続き概要


外来管理加算(再診料)の指摘事項


 1 外来管理加算の不適切な算定

患者からの聴取事項や診察所見の要点について診療録への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

患者本人が受診せず、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合であるにもかかわらず算定している。

処置、リハビリテーション等を行っているにもかかわらず算定している。

計画的な医学管理を行わず算定している。

問診と身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)が行われていない。

電話等再診時に算定している。

【コメント】
再診料に係る外来管理加算について、慢性疼痛疾患管理料を算定する場合には、当該月内においては外来管理加算は算定できないこととなっているが、月の途中に慢性疼痛疾患管理料算定対象疾患が発症し、当該管理料を算定した場合には、当該管理料算定の初月に限り、その算定以前の外来管理加算は算定できるとされています。

さらに、外来管理加算について、小児や認知症患者等の本人から問診を行うことが困難な場合において、家族等から症状を聞いて本人に対して診察を行い、家族等に対して懇切丁寧な説明を行った場合には、外来管理加算を算定でき、この場合、家族等に問診や説明を行っている時間も「医師が直接診察を行っている時間」に含めるものとされています。

また、外来管理加算について、情報通信機器を用いた再診を行った場合、外来管理加算の算定に当たっては、医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)を行う必要があるため、外来管理加算は算定不可であるとされていますので、留意が必要です。

参考:外来管理加算に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第1部 初・再診料
 第2節 再診料
<再診料>
(7) 外来管理加算
ア 外来管理加算は、処置、リハビリテーション等(診療報酬点数のあるものに限る。)を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるものである。

イ 外来管理加算を算定するに当たっては、医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)を行い、それらの結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認を行いつつ、病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するため次の取組を行う。
 [提供される診療内容の事例]
 1 問診し、患者の訴えを総括する。
   「今日伺ったお話では、『前回処方した薬を飲んで、熱は下がったけれど、咳が続き、痰の切れが悪い。』ということですね。」
 2 身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う。
   「診察した結果、頸のリンパ節やのどの腫れは良くなっていますし、胸の音も問題ありません。前回に比べて、ずいぶん良くなっていますね。」
 3 これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う。
   「先日の発熱と咳や痰は、ウイルスによる風邪の症状だと考えられますが、○○さんはタバコを吸っているために、のどの粘膜が過敏で、ちょっとした刺激で咳が出やすく、痰がなかなか切れなくなっているようです。症状が落ち着くまで、しばらくの間はタバコを控えて、部屋を十分に加湿し、外出するときにはマスクをした方が良いですよ。」
 4 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組を行う。
   「他に分からないことや、気になること、ご心配なことはありませんか。」

ウ 診察に当たっては、イに規定する項目のうち、患者の状態等から必要と思われるものを行うこととし、必ずしも全ての項目を満たす必要はない。また、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。

エ 外来管理加算は、標榜する診療科に関係なく算定できる。ただし、複数科を標榜する保険医療機関において、外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他科において外来管理加算は算定できない。

オ 「C000」往診料を算定した場合にも、再診料に加えて外来管理加算を算定できる。

カ 投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。また、多忙等を理由に、イに該当する診療行為を行わず、簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方を行った場合にあっては、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。

キ 「注8」の厚生労働大臣が別に定める検査とは、第2章第3部第3節生体検査料のうち、次の各区分に掲げるものをいう。
 超音波検査等
 脳波検査等
 神経・筋検査
 耳鼻咽喉科学的検査
 眼科学的検査
 負荷試験等
 ラジオアイソトープを用いた諸検査
 内視鏡検査



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
外来管理加算(再診料)の指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(1):診療録(カルテ)の取り扱い

3  指摘事項(2):傷病名の記載、入力、整理

4  指摘事項(3):初診料

5  指摘事項(4):再診料、電話等による再診

6  指摘事項(5):情報通信機器を用いた診療

7  指摘事項(6):時間外加算、休日加算、深夜加算

8  指摘事項(7):夜間・早朝等加算

9  指摘事項(8):機能強化加算

10 指摘事項(9):外来管理加算

11 指摘事項(10):地域包括診療加算

12 指摘事項(11):認知症地域包括診療加算

13 指摘事項(12):薬剤適正使用連携加算

14 指摘事項(13):医療情報取得加算

15 指摘事項(14):看護師等遠隔診療補助加算

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