本文へスキップ

施設基準の地域包括診療料1、地域包括診療料2での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。個別指導は弁護士にご相談下さい。

電話での相談のご予約・お問い合わせはTEL.03-5925-8437
平日:9時30分〜17時30分

保険診療での指摘事項(63):地域包括診療料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、施設基準の地域包括診療料1、地域包括診療料2での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の医療機関への個別指導、監査

     2 厚生局の新規個別指導の手続きの概要


地域包括診療料(1,2)での指摘事項


 1 地域包括診療料の不適切な算定

患者の担当医以外が診療した場合に算定している。

患者が受診している医療機関について全ての医療機関を把握する必要があるが把握していない。

他医療機関で処方されたものも含め、直近の投薬内容の全てを診療録等に記載していない。

診療録に[お薬手帳のコピー若しくは保険薬局からの文書のコピーが添付されていない・算定時の投薬内容について記載がない]。

健康診断や検診の[受診勧奨を行っていない・結果等を診療録に添付又は記載していない]。

(直近1年間の受診歴が4回未満であるにもかかわらず)初回算定時に患者の署名付の同意書[を作成していない・が診療録等に添付されていない]。

必要事項が当該保険医療機関の[見やすい場所・ウェブサイト]に掲示(掲載)されていない。

【コメント】
地域包括診療料に関して、患者の担当医以外が診療した場合は算定できず、担当医により指導及び診療を行った場合に算定するとされています。

さらに、他の保険医療機関との連携とは、整形外科や眼科など、患者が受診しているすべての保険医療機関を指すとされています。

また、地域包括診療料に関して、

24時間開局薬局とは、以下を満たす薬局であり、すなわち、保険薬剤師が当直を行う等、保険薬剤師を24時間配置し、来局した患者の 処方箋を直ちに調剤できる体制を有していること、当該保険薬局が客観的に見て24時間開局していることがわかる表示又はこれに準ずる措置を講じること、なお、防犯上の観点から必要であれば、夜間休日においては、夜間休日専用出入口又は窓口で対応することで差し支えなく、

24時間対応薬局とは、以下を満たす薬局であり、すなわち、保険薬剤師が患者の求めに応じて24時間調剤等が速やかに実施できる体制を整備していること、当該保険薬局は、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等について、原則として初回の処方箋受付時に(変更があった場合はその都度)、患者又はその家族等に対して説明の上、文書(これらの事項が薬袋に記載されている場合を含む。)により交付していること、

とされていますので、留意が求められます。

参考:地域包括診療料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第1部 医学管理等
 第1節 医学管理料等
<地域包括診療料>
(1) 地域包括診療料は、外来の機能分化の観点から、主治医機能を持った中小病院及び診療所の医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対し、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、初診時や訪問診療時(往診を含む。)は算定できない。なお、地域包括診療料と「A001」再診料の「注12」地域包括診療加算はどちらか一方に限り届出することができる。

(2) 地域包括診療料の対象患者は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る。)及び認知症の6疾病のうち、2つ以上(疑いを除く。)を有する者である。なお、当該医療機関で診療を行う対象疾病(上記6疾病のうち2つ)と重複しない疾病を対象とする場合に限り、他医療機関でも当該診療料、「A001」再診料の「注12」地域包括診療加算、同「注13」認知症地域包括診療加算又は「B001−2−10」認知症地域包括診療料を算定可能である。

(3) 当該患者を診療する担当医を決めること。担当医は、慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師とし、担当医により指導及び診療を行った場合に当該診療料を算定する。なお、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の計測、飲酒、その他療養を行うに当たっての問題点等に係る生活面の指導については、必要に応じて、当該医師の指示を受けた看護師や管理栄養士、薬剤師が行っても差し支えない。

(4) 患者又はその家族からの求めに応じ、疾患名、治療計画等についての文書を交付し、適切な説明を行うことが望ましい。その際、文書の交付については電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに入力し、診療録にその記録及び患者の同意を得た旨を残している場合は、文書を交付しているものとみなすものとする。

(5) 当該患者に対し、以下の指導、服薬管理等を行うこと。
ア 患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に療養上必要な指導及び診療を行うこと。
イ 他の保険医療機関と連携及びオンライン資格確認を活用して、患者が受診している医療機関を全て把握するとともに、当該患者に処方されている医薬品を全て管理し、診療録等に記載すること。必要に応じ、担当医の指示を受けた看護師、准看護師等が情報の把握を行うことも可能であること。
ウ 当該患者について、原則として院内処方を行うこと。ただし、エ及びオの場合に限り院外処方を可能とする。
エ 病院において、患者の同意が得られた場合は、以下の全てを満たす薬局に対して院外処方を行うことを可能とする。
(イ) 24時間開局している薬局であること。なお、24時間開局している薬局のリストを患者に説明した上で患者が選定した薬局であること。
(ロ) 当該患者がかかっている医療機関を全て把握した上で、薬剤服用歴を一元的かつ継続的に管理し、投薬期間中の服薬状況等を確認及び適切な指導を行い、当該患者の服薬に関する情報を医療機関に提供している薬局であること。
(ハ) 病院において院外処方を行う場合は、以下の通りとする。
@ 当該患者が受診している医療機関のリスト及び当該患者が当該診療料を算定している旨を、処方箋に添付して患者に渡すことにより、当該薬局に対して情報提供を行うこと。
A 患者に対して、当該医療機関を受診時に、薬局若しくは当該医療機関が発行するお薬手帳を持参させること。また、当該患者の院外処方を担当する保険薬局から文書で情報提供を受けることでもよい。なお、保険薬局から文書で情報提供を受けた場合も、当該患者に対し、事後的にお薬手帳の提示に協力を求めることが望ましい。
B また、診療録にお薬手帳のコピー若しくは保険薬局からの文書のコピーを添付すること、又は、当該点数の算定時の投薬内容について診療録に記載すること。
オ 診療所において、院外処方を行う場合は、以下のとおりとする。
(イ) 調剤について24時間対応できる体制を整えている薬局(以下「連携薬局」という。)と連携していること。
(ロ) 原則として、院外処方を行う場合は連携薬局にて処方を行うこととするが、患者の同意がある場合に限り、その他の薬局での処方も可能とする。その場合、当該患者に対して、時間外においても対応できる薬局のリストを文書により提供し、説明すること。
(ハ) 当該患者が受診している医療機関のリスト及び当該患者が当該診療料を算定している旨を、処方箋に添付して患者に渡すことにより、当該薬局に対して情報提供を行うこと。
(ニ) 患者に対して、当該医療機関を受診時に、薬局若しくは当該医療機関が発行するお薬手帳を持参させること。また、当該患者の院外処方を担当する保険薬局から文書で情報提供を受けることでもよい。なお、保険薬局から文書で情報提供を受けた場合も、当該患者に対し、事後的にお薬手帳の提示に協力を求めることが望ましい。
(ホ) また、診療録にお薬手帳のコピー若しくは保険薬局からの文書のコピーを添付すること、又は、当該点数の算定時の投薬内容について診療録等に記載すること。
カ 標榜診療時間外の電話等による問い合わせに対応可能な体制を有し、連絡先について情報提供するとともに、患者又は患者の家族等から連絡を受けた場合には、受診の指示等、速やかに必要な対応を行うこと。
キ 当該患者について、当該医療機関で検査(院外に委託した場合を含む。)を行うこと。
ク 健康診断や検診の受診勧奨を行い、その結果等を診療録に添付又は記載するとともに、患者に提供し、評価結果をもとに患者の健康状態を管理すること。
ケ 必要に応じ、要介護認定に係る主治医意見書を作成すること。
コ 必要に応じ、患者の予防接種の実施状況を把握すること等により、当該患者からの予防接種に係る相談に対応すること。
サ 患者の同意について、当該診療料の初回算定時に、別紙様式48を参考に、当該患者の署名付の同意書を作成し、診療録等に添付すること。ただし、直近1年間に4回以上の受診歴を有する患者については、別紙様式48を参考に診療の要点を説明していれば、同意の手続きは省略して差し支えない。なお、当該医療機関自ら作成した文書を用いることでよい。
シ 当該診療料を算定する場合は、投薬の部に掲げる「7種類以上の内服薬の投薬を行う場合」の規定は適用しないものであること。
ス 認知症の患者に対し当該診療料を算定する場合であって、当該患者の病状から、患者への説明及び患者の同意について、患者の家族等への説明及び当該患者の家族等による同意による方が適切と考えられる場合には、当該部分について「患者」を「患者の家族等」と読み替えるものとする。

(6) 当該医療機関において、院内掲示により以下の対応が可能なことを周知し、患者の求めがあった場合に適切に対応すること。
ア 健康相談を行っていること。
イ 介護保険に係る相談を行っていること。
ウ 予防接種に係る相談を行っていること。

(7) 当該保険医療機関に通院する患者について、介護保険法第7条第5項に規定する介護支援専門員及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準第3条第1項に規定する相談支援専門員からの相談に適切に対応するとともに、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示すること。

(8) 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するとともに、患者から求められた場合に適切に対応すること。

(9) (7)及び(8)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。

(10) 地域包括診療料を算定する医療機関においては、往診又は訪問診療を提供可能であること。往診又は訪問診療の対象の患者には、24時間対応可能な夜間の連絡先を提供し、患者又は患者の家族等から連絡を受けた場合には、往診、外来受診の指示等、速やかに必要な対応を行うこと。特掲診療料施設基準通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)に規定する在宅療養支援診療所以外の在宅療養支援診療所においては、連絡を受けて行う往診又は外来診療の体制について、連携する他の保険医療機関とともに行うことも可能であること。

(11) 抗菌薬の適正な使用を推進するため、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行っていること。

(12) 「注3」の薬剤適正使用連携加算については、「A001」再診料の「注14」に規定する薬剤適正使用連携加算の例によること。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
施設基準の地域包括診療料1、地域包括診療料2での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(56):小児科外来診療料

3  指摘事項(57):地域連携小児夜間・休日診療料

4  指摘事項(58):乳幼児育児栄養指導料

5  指摘事項(59):地域連携夜間・休日診療料

6  指摘事項(60):院内トリアージ実施料

7  指摘事項(61):外来リハビリテーション診療料

8  指摘事項(62):外来放射線照射診療料

9  指摘事項(63):地域包括診療料

10 指摘事項(64):認知症地域包括診療料

11 指摘事項(65):小児かかりつけ診療料

12 指摘事項(66):外来腫瘍化学療法診療料

SUNBELL LAW OFFICE個別指導

サンベル法律事務所
〒160-0004
東京都新宿区四谷1-18
オオノヤビル7階
TEL 03-5925-8437
FAX 03-5925-8438