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施設基準の生活習慣病管理料(T)(脂質異常症、高血圧症、糖尿病)での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項の、弁護士によるコラムです。

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保険診療での指摘事項(67):生活習慣病管理料(T)

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、施設基準の生活習慣病管理料(T)(脂質異常症、高血圧症、糖尿病)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の医療機関への個別指導、監査

     2 厚生局の新規個別指導の手続きの概要


生活習慣病管理料(T)での指摘事項


 1 生活習慣病管理料(T)の不適切な算定

療養計画書(別紙様式9又はこれに準じた様式)を[作成・交付]していない。

療養計画書に患者の署名がない。

療養計画書の写しについて診療録への添付がない。

実際の主病と算定上の区分が異なる。

糖尿病の患者について、患者の状態に応じて年1回程度、眼科の医師の診察を受けるよう指導を行っていない。

【コメント】
生活習慣病管理料(T)において、「当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施しても差し支えない」とあるが、「多職種」には、@理学療法士は含まれる、A保健所の職員又は他の保険医療機関の職員は含まれるがただし生活習慣に関する総合的な治療管理については当該保険医療機関の医師が行う必要があり保健所の職員又は他の保険医療機関の職員と連携する場合は当該職員に対して指示した内容及び当該職員が実施した内容を当該保険医療機関における療養計画書及び診療録に記録することとされています。

さらに、生活習慣病管理料(T)は、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものとされているが、署名の取扱いは、初回については、療養計画書に患者の署名を受けることが必要で、ただし、2回目以降については、療養計画書の内容を患者に対して説明した上で、患者が当該内容を十分に理解したことを医師が確認し、その旨を療養計画書に記載した場合については、患者署名を省略して差し支えないとされています。

また、生活習慣病管理料(T)について、第2章第1部医学管理等(糖尿病合併症管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料、糖尿病透析予防指導管理料及び慢性腎臓病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は、生活習慣病管理料(T)に含まれるものとするとされているが、生活習慣病管理料(T)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、生活習慣病のために診療を行った場合に、医学管理等、検査、注射及び病理診断の費用は算定できないとされていますので、留意が求められます。

参考:生活習慣病管理料(T)に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第1部 医学管理等
 第1節 医学管理料等
<生活習慣病管理料(T)>
(1) 生活習慣病管理料(T)は、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者の治療においては生活習慣に関する総合的な治療管理が重要であることから設定されたものであり、治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、服薬及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、許可病床数が200床未満の病院及び診療所である保険医療機関において算定する。この場合において、当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、薬剤師、看護職員、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。なお、「A000」初診料を算定した日の属する月においては、本管理料は算定しない。

(2) 生活習慣病管理料(T)は、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9又はこれに準じた様式とする。以下同じ。)により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものである。また、交付した療養計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。なお、療養計画書は、当該患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えない。また、血液検査結果を療養計画書と別に交付している場合又は患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合であって、その旨を診療録に記載している場合は、療養計画書の血液検査項目についての記載を省略して差し支えない。

(3) 当該患者の診療に際して行った「A001」の注8に規定する外来管理加算、第1部医学管理等(「B001」の「20」糖尿病合併症管理料、同「22」がん性疼痛緩和指導管理料、同「24」外来緩和ケア管理料、同「27」糖尿病透析予防指導管理料及び同「37」腎臓病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は全て所定点数に含まれる。

(4) 生活習慣病管理料(T)を継続して算定する月においては、栄養、運動、休養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒に係る情報提供及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理に係る療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9の2又はこれに準じた様式とする。)を交付するものとするが、当該療養計画書の内容に変更がない場合はこの限りでない。ただし、その場合においても、患者又はその家族等から求めがあった場合に交付するものとするとともに、概ね4月に1回以上は交付するものとする。なお、交付した当該療養計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。また、血液検査結果を療養計画書と別に交付している場合又は患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合であって、その旨を診療録に記載している場合は、療養計画書の血液検査項目についての記載を省略して差し支えない。

(5) (2)及び(4)について、患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに、療養計画書での記載事項を入力し、診療録にその記録及び患者の同意を得た旨を記録している場合は、療養計画書の作成及び交付をしているものとみなすものとする。ただし、この場合においても、(2)のとおり、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、丁寧に説明を行い、患者の同意を得ることとする。

(6) 同一保険医療機関において、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者について、当該管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定を行うことができるものとする。

(7) 学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を参考にする。

(8) 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するとともに、患者から求められた場合に、患者の状態を踏まえて適切に対応を行うこと。

(9) 本管理料を算定する患者について、保険者から特定保健指導を行う目的で情報提供の求めがある場合には、患者の同意の有無を確認するとともに、患者の同意が得られている場合は必要な協力を行うこと。

(10) 糖尿病の患者については、患者の状態に応じて、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこと。また、糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のため、歯科を標榜する保険医療機関への受診を促すこと。

(11) 「注3」に規定する加算については、中等度以上の糖尿病(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)の患者を対象とし、必要な指導を行った場合に1年に1回に限り算定する。なお、中等度以上の糖尿病の患者とは、当該加算を算定する当月若しくは前月においてヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS値で8. 0%以上(NGSP値で8.4%以上)の者をいう。

(12) 「注3」の加算を算定する患者に対しては、患者教育の観点から血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況等を報告させるとともに、その報告に基づき、必要な指導を行い療養計画に反映させること。当該加算は、血糖試験紙(テスト・テープ)又は固定化酵素電極(バイオセンサー)を給付し、在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定するものであり、血糖試験紙、固定化酵素電極、穿刺器、穿刺針及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は当該加算点数に含まれ、別に算定できない。

(13) 「注4」に規定する外来データ提出加算を算定する場合には、以下の要件を満たすこと。
ア 厚生労働省が毎年実施する「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」(以下「外来医療等調査」という。)に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものである。
イ 当該加算は、データ提出の実績が認められた保険医療機関において、生活習慣病管理料(T)を現に算定している患者について、データを提出する外来診療に限り算定する。
ウ データの提出を行っていない場合又はデータの提出(データの再照会に係る提出も含む。)に遅延等が認められた場合、当該月の翌々月以降について、算定できない。なお、遅延等とは、厚生労働省が調査の一部事務を委託する調査事務局宛てに、調査実施説明資料に定められた期限までに、当該医療機関のデータが提出されていない場合(提出時刻が確認できない手段等、調査実施説明資料にて定められた提出方法以外の方法で提出された場合を含む。)、提出されたデータが調査実施説明資料に定められたデータと異なる内容であった場合(データが格納されていない空の媒体が提出された場合を含む。)をいう。また、算定ができなくなった月以降、再度、データ提出の実績が認められた場合は、翌々月以降について、算定ができる。
エ データの作成は3月単位で行うものとし、作成されたデータには第1月の初日から第3月の末日までにおいて対象となる診療に係るデータが全て含まれていなければならない。
オ イの「データ提出の実績が認められた保険医療機関」とは、データの提出が厚生労働省保険局医療課において確認され、その旨を通知された保険医療機関をいう。



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医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
施設基準の生活習慣病管理料(T)(脂質異常症、高血圧症、糖尿病)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(56):小児科外来診療料

3  指摘事項(57):地域連携小児夜間・休日診療料

4  指摘事項(58):乳幼児育児栄養指導料

5  指摘事項(59):地域連携夜間・休日診療料

6  指摘事項(60):院内トリアージ実施料

7  指摘事項(61):外来リハビリテーション診療料

8  指摘事項(62):外来放射線照射診療料

9  指摘事項(63):地域包括診療料

10 指摘事項(64):認知症地域包括診療料

11 指摘事項(65):小児かかりつけ診療料

12 指摘事項(66):外来腫瘍化学療法診療料

13 指摘事項(67):生活習慣病管理料(T)

14 指摘事項(68):生活習慣病管理料(U)

15 指摘事項(69):ニコチン依存症管理料

16 指摘事項(70):手術前医学管理料

17 指摘事項(71):肺血栓塞栓症予防管理料

18 指摘事項(72):リンパ浮腫指導管理料

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