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在宅酸素療法指導管理料での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(134):在宅酸素療法指導管理料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、在宅酸素療法指導管理料(1 チアノーゼ型先天性心疾患の場合,2 その他の場合)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 個別指導(厚生局)と弁護士の帯同

     2 新規個別指導(厚生局)の手続き概要


在宅酸素療法指導管理料での指摘事項


 1 在宅酸素療法指導管理料の不適切な算定

[当該在宅療養を指示した根拠・指示事項・指導内容の要点]について診療録への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

開始の要件を満たしていない。

酸素の使用が確認できない。

【コメント】
在宅酸素療法指導管理料について、介護老人保健施設への入所が決まっている患者の退院時に酸素療法の指導を行った場合、介護老人保健施設の入所者に対してはそもそも在宅酸素療法指導管理料を算定できないため、退院時に在宅酸素療法指導管理料を算定すべき指導を行っても算定できず、なお、在宅酸素療法指導管理料を含め、在宅療養指導管理料が算定できない施設への入所が決まっている患者については、退院時に在宅療養指導管理料は算定できないとされていますので、留意が求められます。

参考:在宅酸素療法指導管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第2部 在宅医療
 第2節 在宅療養指導管理料
<在宅酸素療法指導管理料>
(1) チアノーゼ型先天性心疾患に対する在宅酸素療法とは、ファロー四徴症、大血管転位症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、単心室症などのチアノーゼ型先天性心疾患患者のうち、発作的に低酸素又は無酸素状態になる患者について、発作時に在宅で行われる救命的な酸素吸入療法をいう。この場合において使用される酸素は、小型酸素ボンベ(500リットル以下)又はクロレート・キャンドル型酸素発生器によって供給されるものとする。

(2) 保険医療機関が、チアノーゼ型先天性心疾患の患者について在宅酸素療法指導管理料を算定する場合には、これに使用する小型酸素ボンベ又はクロレート・キャンドル型酸素発生器は当該保険医療機関が患者に提供すること。

(3) 「その他の場合」に該当する在宅酸素療法とは、諸種の原因による高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症の患者、慢性心不全の患者のうち、安定した病態にある退院患者及び手術待機の患者又は重度の群発頭痛の患者について、在宅で患者自らが酸素吸入を実施するものをいう。

(4) 「その他の場合」の対象となる患者は、高度慢性呼吸不全例のうち、在宅酸素療法導入時に動脈血酸素分圧55mmHg以下の者及び動脈血酸素分圧60mmHg以下で睡眠時又は運動負荷時に著しい低酸素血症を来す者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると認めたもの、慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAV度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されている症例及び関連学会の診断基準により群発頭痛と診断されている患者のうち、群発期間中の患者であって、1日平均1回以上の頭痛発作を認めるものとする。この場合、適応患者の判定に経皮的動脈血酸素飽和度測定器による酸素飽和度を用いることができる。ただし、経皮的動脈血酸素飽和度測定器、「D223」経皮的動脈血酸素飽和度測定及び「D223−2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれており別に算定できない。

(5) 在宅酸素療法指導管理料の算定に当たっては、動脈血酸素分圧の測定を月1回程度実施し、その結果について診療報酬明細書に記載すること。この場合、適応患者の判定に経皮的動脈血酸素飽和度測定器による酸素飽和度を用いることができる。ただし、経皮的動脈血酸素飽和度測定器、経皮的動脈血酸素飽和度測定及び終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれており別に算定できない。

(6) 在宅酸素療法を指示した医師は、在宅酸素療法のための酸素投与方法(使用機器、ガス流量、吸入時間等)、緊急時連絡方法等を装置に掲示すると同時に、夜間も含めた緊急時の対処法について、患者に説明を行うこと。

(7) 在宅酸素療法を実施する保険医療機関又は緊急時に入院するための施設は、次の機械及び器具を備えなければならない。
ア 酸素吸入設備
イ 気管内挿管又は気管切開の器具
ウ レスピレーター
エ 気道内分泌物吸引装置
オ 動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態であるもの)
カ スパイロメトリー用装置(常時実施できる状態であるもの)
キ 胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態であるもの)

(8) 在宅酸素療法指導管理料を算定している患者(入院中の患者を除く。)については、「J024」酸素吸入、「J024−2」突発性難聴に対する酸素療法、「J025」酸素テント、「J026」間歇的陽圧吸入法、「J026−3」体外式陰圧人工呼吸器治療、「J018」喀痰吸引、「J018−3」干渉低周波去痰器による喀痰排出及び「J026−2」鼻マスク式補助換気法(これらに係る酸素代も含む。)の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む。)は算定できない。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
在宅酸素療法指導管理料(1 チアノーゼ型先天性心疾患の場合,2 その他の場合)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(129):在宅自己注射指導管理料

3  指摘事項(130):導入初期加算

4  指摘事項(131):バイオ後続品導入初期加算

5  指摘事項(132):在宅自己腹膜灌流指導管理料

6  指摘事項(133):在宅血液透析指導管理料

7  指摘事項(134):在宅酸素療法指導管理料

8  指摘事項(135):遠隔モニタリング加算

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