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在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項の、弁護士によるコラムです。

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保険診療での指摘事項(140):在宅持続陽圧呼吸療法

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 医院への個別指導と監査の対応法

     2 医院への新規個別指導の手続き概要


在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(1,2)での指摘事項


 1 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の不適切な算定

[当該在宅療養を指示した根拠・指示事項・指導内容の要点]について 診療録への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

遠隔モニタリング加算
・モニタリングにより得られた臨床所見等について診療録への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

【コメント】
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の遠隔モニタリング加算について、モニタリングを行った結果、その時点で急を要する指導事項がなく、療養上の指導を行わなかった場合、遠隔モニタリング加算は、予め作成した診療計画に沿って、モニタリングにより得られた臨床所見に応じて、療養上の指導等を行った場合の評価であり、モニタリングを行っても、療養上の指導を行わなかった場合は、算定できないとされています。

さらに、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の遠隔モニタリング加算で、「療養上必要な指導を行った場合」とあるが、ビデオ等のリアルタイムの視覚情報を含まない、電話等の情報通信機器を用いて指導が完結した場合について、遠隔モニタリング加算については、予め作成した診療計画に沿って、モニタリングにより得られた臨床所見に応じて、療養上の指導等を行った場合の評価であり、この場合の療養上の指導は、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って、原則として、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な情報通信機器を用いたものであること、ただし、このような診療計画に沿ったモニタリング及び指導を行う場合で あって、患者から事前に合意を得ている場合に限り、当該指導をリアルタイムの視覚情報を含まない電話等の情報通信機器を用いて行っても差し支えないものとするとされています。

また、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の注3について、「情報通信機器を用いた指導管理については、CPAP療法を開始したことにより睡眠時無呼吸症候群の症状である眠気やいびきなどの症状が改善していることを対面診療で確認した場合に実施すること」とされているが、他の保険医療機関でCPAP療法を開始した患者が紹介された場合の取扱いについて、当該指導管理を実施する保険医療機関において、CPAP療法を開始したことにより睡眠時無呼吸症候群の症状である眠気やいびきなどの症状が改善していることを対面診療で確認した場合に算定可能であり、なお、当該診療に係る初診日及びCPAP療法を開始したことにより、睡眠時無呼吸症候群の症状である眠気やいびきなどの症状が改善していることを、当該指導管理を実施する保険医療機関において対面診療で確認した日を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載することとされていますので、留意が求められます。

参考:在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第2部 在宅医療
 第2節 在宅療養指導管理料
<在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料>
(1) 在宅持続陽圧呼吸療法とは、睡眠時無呼吸症候群又は慢性心不全である患者について、在宅において実施する呼吸療法をいう。

(2) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1の対象となる患者は、以下の全ての基準に該当する患者とする。
ア 慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAV度以上であると認められ、睡眠時にチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されているもの
イ 持続陽圧呼吸(CPAP)療法を実施したにもかかわらず、無呼吸低呼吸指数が15以下にならない者に対してASV療法を実施したもの

(3) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象となる患者は、以下のアからウまでのいずれかの基準に該当する患者とする。
ア 慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAV度以上であると認められ、睡眠時にチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されているもので、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1の対象患者以外にASV療法を実施した場合
イ 心不全である者のうち、日本循環器学会・日本心不全学会によるASV適正使用に関するステートメントに留意した上で、ASV 療法を継続せざるを得ない場合
ウ 以下の(イ)から(ハ)までの全ての基準に該当する患者。ただし、無呼吸低呼吸指数が40以上である患者については、(ロ)の要件を満たせば対象患者となる。
(イ) 無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が20以上
(ロ) 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が強く、日常生活に支障を来している症例
(ハ) 睡眠ポリグラフィー上、頻回の睡眠時無呼吸が原因で、睡眠の分断化、深睡眠が著しく減少又は欠如し、持続陽圧呼吸療法により睡眠ポリグラフィー上、睡眠の分断が消失、深睡眠が出現し、睡眠段階が正常化する症例

(4) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料については、当該治療の開始後最長2か月間の治療状況を評価し、当該療法の継続が可能であると認められる症例についてのみ、引き続き算定の対象とする。

(5) 保険医療機関が在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定する場合には、持続陽圧呼吸療法装置は当該保険医療機関が患者に貸与する。

(6) 遠隔モニタリング加算は、以下の全てを実施する場合に算定する。
ア 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象で、かつ、CPAP療法を実施している入院中の患者以外の患者について、前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間、使用時間等の着用状況、無呼吸低呼吸指数等がモニタリング可能な情報通信機器を活用して、定期的なモニタリングを行った上で、状況に応じ、療養上必要な指導を行った場合又は患者の状態を踏まえた療養方針について診療録に記載した場合に、2月を限度として来院時に算定することができる。
イ 患者の同意を得た上で、対面による診療とモニタリングを組み合わせた診療計画を作成する。当該計画の中には、患者の急変時における対応等も記載し、当該計画に沿ってモニタリングを行った上で、状況に応じて適宜患者に来院を促す等の対応を行う。
ウ 当該加算を算定する月にあっては、モニタリングにより得られた臨床所見等を診療録に記載しており、また、必要な指導を行った際には、当該指導内容を診療録に記載していること。
エ 療養上必要な指導は電話又はビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて行う。情報通信機器を用いて行う場合は、オンライン指針に沿って行うこと。なお、当該診療に関する費用は当該加算の所定点数に含まれる。

(7) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた指導管理については、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象となる患者のうち(3)のウの要件に該当する患者、かつ、CPAP療法を実施している閉塞性無呼吸症候群の診断が得られている入院中の患者以外の患者について、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(8) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた指導管理については、CPAP療法を開始したことにより睡眠時無呼吸症候群の症状である眠気やいびきなどの症状が改善していることを対面診療で確認した場合に実施すること。また、通常の対面診療で確認するCPAP管理に係るデータについて、情報通信機器を用いた診療において確認すること。さらに、睡眠時無呼吸症候群に合併する身体疾患管理の必要性に応じて対面診療を適切に組み合わせること及び情報通信機器を用いた診療を開始した後にも症状の悪化等の不調等が生じた場合には、速やかに対面診療に切り替えることが求められる。その他、関係学会が提示する情報通信機器を用いた場合のCPAP療法に係る指針に沿った診療を実施すること。

(9) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた指導管理を実施する際は、当該診療に係る初診日及びCPAP療法を開始したことにより睡眠時無呼吸症候群の症状である眠気やいびきなどの症状が改善していることを対面診療で確認した日を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載する。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(129):在宅自己注射指導管理料

3  指摘事項(130):導入初期加算

4  指摘事項(131):バイオ後続品導入初期加算

5  指摘事項(132):在宅自己腹膜灌流指導管理料

6  指摘事項(133):在宅血液透析指導管理料

7  指摘事項(134):在宅酸素療法指導管理料

8  指摘事項(135):遠隔モニタリング加算

9  指摘事項(136):在宅中心静脈栄養法指導管理料

10 指摘事項(137):在宅成分栄養経管栄養法

11 指摘事項(138):在宅自己導尿指導管理料

12 指摘事項(139):在宅人工呼吸指導管理料

13 指摘事項(140):在宅持続陽圧呼吸療法

14 指摘事項(141):在宅麻薬等注射指導管理料

15 指摘事項(142):在宅腫瘍化学療法注射

16 指摘事項(143):在宅強心剤持続投与指導管理料

17 指摘事項(144):在宅寝たきり患者処置

18 指摘事項(145):血糖自己測定器加算

19 指摘事項(146):注入器用注射針加算

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