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在宅麻薬等注射指導管理料での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(141):在宅麻薬等注射指導管理料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、在宅麻薬等注射指導管理料(1 悪性腫瘍、2 筋萎縮性側索硬化症又は筋ジストロフィー、3 心不全又は呼吸器疾患)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 医院への個別指導と監査の対応法

     2 医院への新規個別指導の手続き概要


在宅麻薬等注射指導管理料(1,2,3)での指摘事項


 1 在宅麻薬等注射指導管理料の不適切な算定

[当該在宅療養を指示した根拠・指示事項・指導内容の要点]について、診療録への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

【コメント】
在宅麻薬等注射指導管理料において、「実施に当たっては、 関係学会の定める診療に関する指針を遵守すること。」とあるが、具体的には、令和6年5月10日時点では、日本循環器学会及び日本心不全学会の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」、日本呼吸器学会及び日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の「非がん性呼吸器疾患緩和ケア指針2021」、日本緩和医療学会の「進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン」を指すとされています。

また、在宅麻薬等注射指導管理料を算定する月に入院をして、抗悪性腫瘍剤局所持続注入を行った場合、当該月において、外来で行った抗悪性腫瘍剤局所持続注入は算定できないが、入院で行った抗悪性腫瘍剤局所持続注入については算定できるとされていますので、注意が必要です。

参考:在宅麻薬等注射指導管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第2部 在宅医療
 第2節 在宅療養指導管理料
<在宅麻薬等注射指導管理料>
(1) 在宅麻薬等注射指導管理料の「注1」及び「注2」に規定する在宅における麻薬等の注射とは、末期の悪性腫瘍又は筋萎縮性側索硬化症若しくは筋ジストロフィーの患者であって、持続性の疼痛があり鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しない場合に、在宅において実施する注射による麻薬等の投与をいう。なお、患者が末期であるかどうかは在宅での療養を行っている患者の診療を担う保険医の判断によるものとする。

(2) 在宅麻薬等注射指導管理料の「注3」に規定する緩和ケアを要する心不全又は呼吸器疾患の患者とは、次のいずれかに該当する患者をいう。
ア 以下の(イ)及び(ロ)の基準並びに(ハ)又は(ニ)のいずれかの基準に該当するもの
(イ) 心不全に対して適切な治療が実施されていること。
(ロ) 器質的な心機能障害により、適切な治療にかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類W度の症状に該当し、頻回又は持続的に点滴薬物療法を必要とする状態であること。
(ハ) 左室駆出率が20%以下であること。
(ニ) 医学的に終末期であると判断される状態であること。
イ 以下の(イ)、(ロ)及び(ハ)のすべての基準に該当するもの
(イ) 呼吸器疾患に対して適切な治療が実施されていること。
(ロ) 在宅酸素療法やNPPV(非侵襲的陽圧換気)を継続的に実施していること。
(ハ) 過去半年以内に10%以上の体重減少を認めること。

(3) 在宅麻薬等注射指導管理料の「注3」に規定する在宅における麻薬の注射とは、緩和ケアを要する心不全または呼吸器疾患の患者であって、咳嗽発作等の症状を有しており麻薬の経口投与ができないものに対して、在宅において実施する注射による麻薬の投与をいう。なお、実施に当たっては、関係学会の定める診療に関する指針を遵守すること。

(4) (1)の麻薬等の投与とは、ブプレノルフィン製剤、モルヒネ塩酸塩製剤、フェンタニルクエン酸塩製剤、複方オキシコドン製剤、オキシコドン塩酸塩製剤、フルルビプロフェンアキセチル製剤又はヒドロモルフォン塩酸塩製剤を注射又は携帯型ディスポーザブル注入ポンプ若しくは輸液ポンプを用いて注入する療法をいう。また、(3)の麻薬の投与とは、モルヒネ塩酸塩製剤を注射又は携帯型ディスポーザブル注入ポンプ若しくは輸液ポンプを用いて注入する療法をいう。なお、モルヒネ塩酸塩製剤、フェンタニルクエン酸塩製剤、複方オキシコドン製剤、オキシコドン塩酸塩製剤又はヒドロモルフォン塩酸塩製剤を使用できるのは、以下の条件を満たす連続注入器等に必要に応じて生理食塩水等で希釈の上充填して交付した場合に限る。
ア 薬液が取り出せない構造であること。
イ 患者等が注入速度を変えることができないものであること。

(5) 在宅において同一月に抗悪性腫瘍剤の注射を行うものについては、在宅麻薬等注射指導管理料は算定せず、「C108−2」在宅腫瘍化学療法注射指導管理料を算定する。

(6) 在宅麻薬等注射指導管理料を算定する月は、「G003」抗悪性腫瘍剤局所持続注入の費用は算定できない。ただし、抗悪性腫瘍剤局所持続注入に用いる薬剤に係る費用は算定できる。

(7) 在宅麻薬等注射指導管理料を算定する月は「B001−2−12」外来腫瘍化学療法診療料等及び第6部「通則6」に規定する外来化学療法加算は算定できない。

(8) 在宅麻薬等注射指導管理料を算定している患者の外来受診時に、当該在宅麻薬等注射指導管理料に係る「G000」皮内、皮下及び筋肉内注射、「G001」静脈内注射、「G004」点滴注射、「G005」中心静脈注射及び「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射を行った場合の手技料、注射薬(在宅で使用していない抗悪性腫瘍剤も含む。)及び特定保険医療材料の費用は算定できない。ただし、当該在宅麻薬等注射指導管理料に係らない「G000」皮内、皮下及び筋肉内注射、「G001」静脈内注射、「G004」点滴注射、「G005」中心静脈注射及び「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射を行った場合の手技料、注射薬及び特定保険医療材料の費用は算定できる。

(9) 在宅麻薬等注射指導管理料を算定している患者については、当該保険医療機関において「C001」在宅患者訪問診療料(T)又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)を算定する日に行った「G000」皮内、皮下及び筋肉内注射、「G001」静脈内注射、「G004」点滴注射、「G005」中心静脈注射及び「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射の手技料、注射薬及び特定保険医療材料の費用は算定できない。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
在宅麻薬等注射指導管理料(1 悪性腫瘍、2 筋萎縮性側索硬化症又は筋ジストロフィー、3 心不全又は呼吸器疾患)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(129):在宅自己注射指導管理料

3  指摘事項(130):導入初期加算

4  指摘事項(131):バイオ後続品導入初期加算

5  指摘事項(132):在宅自己腹膜灌流指導管理料

6  指摘事項(133):在宅血液透析指導管理料

7  指摘事項(134):在宅酸素療法指導管理料

8  指摘事項(135):遠隔モニタリング加算

9  指摘事項(136):在宅中心静脈栄養法指導管理料

10 指摘事項(137):在宅成分栄養経管栄養法

11 指摘事項(138):在宅自己導尿指導管理料

12 指摘事項(139):在宅人工呼吸指導管理料

13 指摘事項(140):在宅持続陽圧呼吸療法

14 指摘事項(141):在宅麻薬等注射指導管理料

15 指摘事項(142):在宅腫瘍化学療法注射

16 指摘事項(143):在宅強心剤持続投与指導管理料

17 指摘事項(144):在宅寝たきり患者処置

18 指摘事項(145):血糖自己測定器加算

19 指摘事項(146):注入器用注射針加算

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