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特定疾患治療管理料の慢性維持透析患者外来医学管理料での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。個別指導は弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(31):慢性維持透析患者外来医学管理料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、特定疾患治療管理料の慢性維持透析患者外来医学管理料での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導、監査と弁護士の同席

     2 厚生局の新規個別指導の手続きの概要


慢性維持透析患者外来医学管理料での指摘事項


 1 慢性維持透析患者外来医学管理料の不適切な算定

[特定の検査結果・計画的な治療管理の要点]について診療録への[添付・記載]が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

副甲状腺機能亢進症に対する[パルス療法施行時・副甲状腺切除を行った患者へ]のカルシウム、無機リン、PTH検査について、本管理料の算定に加えて別に算定できるのは、算定月の2回目以後の検査からであるが、算定月の1回目の検査を2回目の検査として算定している。

【コメント】
慢性維持透析患者外来医学管理料の算定において、同一月内に入院と入院外が混在する場合の取り扱い事項に「同一の保険医療機関において」という条件があるが、特別の関係にある保険医療機関は、同一の保険医療機関として扱うものとされています。

また、慢性維持透析患者外来医学管理料について、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟及び精神病棟に限る。)、有床診療所入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期入院医療管理料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料、有床診療所療養病床入院基本料及び地域移行機能強化病棟入院料を算定する場合において、入院中の患者が他の医療機関へ受診し透析を行い、当該他の医療機関において検査の結果に基づき計画的な医学管理を行った場合は、算定可能であるとされていますので、留意が必要です。

参考:慢性維持透析患者外来医学管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第1部 医学管理等
 第1節 医学管理料等
<特定疾患治療管理料>
15 慢性維持透析患者外来医学管理料
(1) 慢性維持透析患者外来医学管理料は、安定した状態にある慢性維持透析患者について、特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定し、本管理料に含まれる検査の点数は別途算定できない。なお、安定した状態にある慢性維持透析患者とは、透析導入後3か月以上が経過し、定期的に透析を必要とする入院中の患者以外の患者をいう(ただし、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟及び精神病棟に限る。)、有床診療所入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期入院医療管理料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料、精神科地域包括ケア病棟及び地域移行機能強化病棟入院料を算定する場合における入院中の患者の他医療機関への受診時の透析を除く。)。なお、診療録に特定の検査結果及び計画的な治療管理の要点を添付又は記載すること。

(2) 特定の検査とは「注2」に掲げるものをいい、実施される種類及び回数にかかわらず、所定点数のみを算定する。これらの検査料及び「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(T)判断料、生化学的検査(U)判断料、免疫学的検査判断料は本管理料に含まれ、別に算定できない。また、これらの検査に係る検査の部の通則、款及び注に規定する加算は、別に算定できない。

(3) 同一検査名で、定性、半定量及び定量測定がある場合は、いずれの検査も本管理料に含まれ、別に算定できない。試験紙法等による血中の糖の検査についても同様である。

(4) 慢性維持透析患者外来医学管理料に包括される検査以外の検体検査を算定する場合には、その必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(5) 包括されている画像診断に係る画像診断の部の通則、節及び注に規定する加算は別に算定できる。なお、本管理料を算定した月において、本管理料に包括されていない「E001」の「1」単純撮影(胸部を除く。)及び「E002」の「1」単純撮影(胸部を除く。)を算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に撮影部位を記載すること。

(6) 透析導入後3か月目が月の途中である場合は、当該月の翌月より本管理料を算定する。

(7) 同一月内に2以上の保険医療機関で透析を定期的に行っている場合は、主たる保険医療機関において本管理料を請求し、その配分は相互の合議に委ねるものとする。

(8) 同一の保険医療機関において同一月内に入院と入院外が混在する場合、又は人工腎臓と自己腹膜灌流療法を併施している場合は、本管理料は算定できない。

(9) 「C102−2」在宅血液透析指導管理料は、本管理料と別に算定できる。

(10) 下記のアからカまでに掲げる要件に該当するものとして、それぞれ算定を行った場合は、該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
ア 出血性合併症を伴った患者が手術のため入院した後退院した場合、退院月の翌月における末梢血液一般検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。
イ 副甲状腺機能亢進症に対するパルス療法施行時のカルシウム、無機リンの検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月2回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、副甲状腺機能亢進症に対するパルス療法施行時のPTH検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。
ウ 副甲状腺機能亢進症により副甲状腺切除を行った患者に対するカルシウム、無機リンの検査は、退院月の翌月から5か月間は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、副甲状腺機能亢進症により副甲状腺切除を行った患者に対するPTH検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。
エ シナカルセト塩酸塩、エテルカルセチド、エボカルセト又はウパシカルセトナトリウムの初回投与から3か月以内の患者に対するカルシウム、無機リンの検査は、月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月2回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。また、当該薬剤の初回投与から3か月以内の患者に対するPTH検査を月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。
オ 透析導入後5年以上経過した透析アミロイド症に対して、ダイアライザーの選択に当たりβ2−マイクログロブリン除去効果の確認が必要な場合においては、その選択をした日の属する月を含めた3か月間に、β2−マイクログロブリン検査を月2回以上実施する場合においては、当該2回目以後の検査について月1回に限り、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。
カ 高アルミニウム血症とヘモクロマトージスを合併した透析患者に対して、デフェロキサミンメシル酸塩を投与している期間中におけるアルミニウム(Al)の検査は、慢性維持透析患者外来医学管理料に加えて別に算定する。

(11) 慢性維持透析患者の検査の実施に当たっては、関係学会より標準的な検査項目及びその頻度が示されており、それらを踏まえ患者管理を適切に行うこと。



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医療機関・医師への指導、監査のコラム


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特定疾患治療管理料の慢性維持透析患者外来医学管理料での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
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4  指摘事項(30):高度難聴指導管理料

5  指摘事項(31):慢性維持透析患者外来医学管理

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