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在宅時医学総合管理料での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(117):在宅時医学総合管理料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、在宅医療の在宅時医学総合管理料(在宅移行早期加算、頻回訪問加算、在宅療養移行加算、情報通信機器を用いた在宅診療、在宅医療情報連携加算を含む)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 厚生局の個別指導、監査と弁護士の同席

     2 厚生局の新規個別指導の手続きの概要


在宅時医学総合管理料での指摘事項


 1 在宅時医学総合管理料の不適切な算定

医療機関への通院が困難な患者以外の患者に対して算定している。

診療録への[在宅療養計画・説明の要点等]の記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

[連絡担当者の氏名・連絡先電話番号等・担当日・緊急時の注意事項・往診担当医・訪問看護担当者の氏名等]について、文書により提供していない。

在宅移行早期加算
・退院後に在宅において療養を始めた患者であって、訪問診療を行うものに該当しない患者について算定している。

頻回訪問加算
・別に厚生労働大臣が定める状態にない患者について算定している。

在宅療養移行加算[1・2・3・4]
・当該医療機関又は連携する医療機関の連絡担当者の氏名、診療時間内及び診療時間外の連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等並びに往診担当医の氏名等について、患者又は患者の家族に文書により提供していない、または説明していない。

情報通信機器を用いた在宅診療
・次の不適切な例が認められたので改めること。
 ・情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成していない。
 ・[当該管理の内容・当該管理に係る情報通信機器を用いた診療を行った日・診察時間]等の要点を診療録に記載していない。
 ・あらかじめ複数医師が診療を行うことについて患者の同意を得ていない場合に、事前の対面診療を行っていない医師が情報通信機器を用いた診療による医学管理を行っている。
 ・情報通信機器を用いた診療を実施した場所について、事後的に確認できない。
 ・複数の患者に対して同時に情報通信機器を用いた診療を行った場合に当該管理料を算定している。

在宅医療情報連携加算
・ICTを用いて記録された情報を取得及び活用し、計画的な医学管理を行っていない。
・ICTを用いて記録された患者の医療・ケアに関わる情報の取得、活用、医療関係職種等との共有について、患者の同意を得ていない。

【コメント】
在宅時医学総合管理料の算定は、その算定ルールがたいへん複雑なものとなっています。

在宅時医学総合管理料に関して、指定難病については、在宅時医学総合管理料の注5等に規定する「別に厚生労働大臣が定める状態」においては、「難病の患者に対する医療等に関する法律第五条第一項に規定する指定難病」と規定されているが、病名及び重症度が「特定医療費の支給認定に係る基準」を満たすことを患者が受診する保険医療機関の医師が診断したが、受給者証の交付を受けていない場合、医師が、病名及び重症度が基準を満たすことを客観的な根拠とともに医学的に明確に診断できる場合には含まれるとされています。

さらに、在宅時医学総合管理料について、月1回訪問診療を実施し、翌月に複数回の情報通信機器を用いた診療を行う在宅診療計画を策定した上で当該診療を実施した場合、在宅時医学総合管理料の算定方法は、「月1回訪問診療等を行っている場合であって、2月に1回に限り情報通信機器を用いた診療を行っている場合」の所定点数を算定するとされています。

また、在宅時医学総合管理料の注14の施設基準において、「直近3月間の当該保険医療機関及び当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関(令和6年3月31日以前に開設されたものを除く。)の訪問診療回数の合算が2,100回未満であること。」とされているが、基準を満たすことの確認方法及び基準を満たさない場合の取扱いについて、訪問診療回数については、各月の1日時点の直近3ヶ月の訪問診療の算定回数を算出し、確認出来る様に記録しておき、また、当該基準を満たさない場合は、速やかに届出を行い、翌月から在宅時医学総合管理料注14に掲げる点数を算定することとされていますので、注意が必要です。

参考:在宅時医学総合管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第2部 在宅医療
 第1節 在宅患者診療・指導料
<在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料>
(1) 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料は、在宅での療養を行っている患者に対するかかりつけ医機能の確立及び在宅での療養の推進を図るものである。

(2) 在宅時医学総合管理料は、在宅での療養を行っている患者であって、通院困難な者((3)で規定する施設入居時等医学総合管理料の対象患者を除く。)に対して、個別の患者ごとに総合的な在宅療養計画を作成し、定期的に訪問して診療を行い、総合的な医学管理を行った場合の評価であることから、継続的な診療の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならない。例えば、少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院ができる者などは、通院は容易であると考えられるため、在宅時医学総合管理料は算定できない。なお、訪問診療を行っておらず外来受診が可能な患者には、外来において「A001」再診料の「注12」地域包括診療加算又は「B001−2−9」地域包括診療料が算定可能である。

(4) 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料は、別に厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関の保険医が、在宅療養計画に基づき診療を行った場合に月1回に限り算定する。特掲診療料の施設基準等別表第八の二に掲げる「別に厚生労働大臣が定める状態の患者」に対して、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「1」又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)(注1のイの場合に限る。)を月2回以上算定した場合には「別に厚生労働大臣が定める状態の患者に対し、月2回以上訪問診療を行っている場合」を単一建物診療患者の人数に従い算定する。同様に、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「1」又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)(注1のイの場合に限る。)を月2回以上算定した場合には「月2回以上訪問診療を行っている場合」を、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「1」又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)(注1のイの場合に限る。)を月1回算定した場合には「月1回訪問診療を行っている場合」を単一建物診療患者の人数に従い算定する。ここでいう単一建物診療患者の人数とは、当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、当該保険医療機関が「C002」在宅時医学総合管理料又は「C002−2」施設入居時等医学総合管理料を算定する者(当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関において算定するものを含む。)の人数をいう。なお、ユニット数が3以下の認知症対応型共同生活介護事業所については、それぞれのユニットにおいて、施設入居時等医学総合管理料を算定する人数を、単一建物診療患者の人数とみなすことができる。また、同居する同一世帯の複数の患者に対して診察をした場合など、同一の患家において2人以上の患者を診療した場合に、2人目以降の患者について、「A000」初診料又は「A001」再診料若しくは「A002」外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定した場合においては、その旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「1」又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)(注1のイの場合に限る。)を算定したものとみなすことができる。「1」及び「2」については、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医が、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に限り、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院において算定し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医が、当該患者以外の患者に対し、継続して訪問した場合には、「3」を算定する。なお、「1」に規定する「在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの」とは、特掲診療料施設基準通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援診療所、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援病院である。また、「1のイ」に規定する「病床を有する場合」、「1のロ」に規定する「病床を有しない場合」とは、同通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の2の(1)及び(2)、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の2の(1)の規定による。

(5) 個別の患者ごとに総合的な在宅療養計画を作成し、その内容を患者、家族及びその看護に当たる者等に対して説明し、在宅療養計画及び説明の要点等を診療録に記載すること。

(6) 他の保健医療サービス又は福祉サービスとの連携に努めること。

(7) 当該患者が診療科の異なる他の保険医療機関を受診する場合には、診療の状況を示す文書を当該保険医療機関に交付する等十分な連携を図るよう努めること。

(8) 当該保険医療機関以外の保険医療機関が、当該患者に対して診療を行おうとする場合には、当該患者等に対し照会等を行うことにより、他の保険医療機関における在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の算定の有無を確認すること。

(9) 当該患者について在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料が算定されている月において、「B000」特定疾患療養管理料、「B001」の「4」小児特定疾患カウンセリング料、同「5」小児科療養指導料、同「6」てんかん指導料、同「7」難病外来指導管理料、同「8」皮膚科特定疾患指導管理料、同「18」小児悪性腫瘍患者指導管理料、同「27」糖尿病透析予防指導管理料、同「37」慢性腎臓病透析予防指導管理料、「B001−3」生活習慣病管理料(T)、「B001−3−3」生活習慣病管理料(U)、「C007」の注4に規定する衛生材料等提供加算、「C109」在宅寝たきり患者処置指導管理料、「I012−2」の注4に規定する衛生材料等提供加算、「J000」創傷処置、「J001−7」爪甲除去、「J001−8」穿刺排膿後薬液注入、「J018」喀痰吸引、「J018−3」干渉低周波去痰器による喀痰排出、「J043−3」ストーマ処置、「J053」皮膚科軟膏処置、「J060」膀胱洗浄、「J060−2」後部尿道洗浄、「J063」留置カテーテル設置、「J064」導尿、「J118」介達牽引、「J118−2」矯正固定、「J118−3」変形機械矯正術、「J119」消炎鎮痛等処置、「J119−2」腰部又は胸部固定帯固定、「J119−3」低出力レーザー照射、「J119−4」肛門処置及び「J120」鼻腔栄養は所定点数に含まれ、別に算定できない。なお、在宅での総合的な医学管理に当たって必要な薬剤(投薬に係るものを除く。)及び特定保険医療材料については、第3節薬剤料及び第4節特定保険医療材料料において算定することができる。

(10) 当該点数を算定した月において、当該点数を算定する保険医療機関の外来を受診した場合においても第5部投薬の費用は算定できない。

(11) 1つの患家に在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合の在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料は、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定すること。また、在宅時医学総合管理料について、当該建築物において当該保険医療機関が在宅医学管理を行う患者数が、当該建築物の戸数の10%以下の場合又は当該建築物の戸数が20戸未満であって、当該保険医療機関が在宅医学管理を行う患者が2人以下の場合には、それぞれ「単一建物診療患者が1人の場合」を算定すること。

(12) 同一月内において院外処方箋を交付した訪問診療と院外処方箋を交付しない訪問診療とが行われた場合は、在宅時医学総合管理料の「注2」又は施設入居時等医学総合管理料の「注5」の規定により準用する在宅時医学総合管理料の「注2」に係る加算は算定できない。

(13) 投与期間が30日を超える薬剤を含む院外処方箋を交付した場合は、その投与期間に係る在宅時医学総合管理料の「注2」又は施設入居時等医学総合管理料の「注5」の規定により準用する在宅時医学総合管理料の「注2」に係る加算は算定できない。

(14) 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料は、当該患者に対して主として診療を行っている保険医が属する1つの保険医療機関において算定するものであること。

(15) 「C003」在宅がん医療総合診療料を算定した日の属する月にあっては、在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料は算定できないものであること。

(16) 在宅時医学総合管理料の「注4」又は施設入居時等医学総合管理料の「注5」の規定により準用する在宅時医学総合管理料の「注4」に規定する在宅移行早期加算は、退院後に在宅において療養を始めた患者であって、訪問診療を行うものに対し、在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の算定開始月から3月を限度として、1月1回に限り所定点数に加算する。

(17) 在宅移行早期加算は、退院から1年を経過した患者に対しては算定できない。ただし、在宅移行早期加算を既に算定した患者が再度入院し、その後退院した場合にあっては、新たに3月を限度として、月1回に限り所定点数に加算できるものとする。

(18) 在宅時医学総合管理料の「注5」又は施設入居時等医学総合管理料の「注5」の規定により準用する在宅時医学総合管理料の「注5」に係る加算は、特掲診療料の施設基準等別表第三の一の三に掲げる患者に対し、月4回以上の往診又は訪問診療を行い、必要な医学管理を行っている場合に頻回訪問加算として算定する。

(19) 別に厚生労働大臣が定める状態等のうち、特掲診療料の施設基準等別表第三の一の三第三号に掲げる「高度な指導管理を必要とするもの」とは、別表第三の一の三第二号の(1)に掲げる指導管理を2つ以上行っているものをいう。

(20) 在宅時医学総合管理料の「注9」又は施設入居時等医学総合管理料の「注5」の規定により準用する在宅時医学総合管理料の「注9」に規定する在宅療養移行加算1、2、3及び4は、保険医療機関(在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院を除く。)の外来を4回以上受診した後に、訪問診療に移行した患者に対して、当該保険医療機関が訪問診療を実施した場合に、以下により算定する。
ア 在宅療養移行加算1については、以下の全ての要件を、在宅療養移行加算2については、以下の(イ)から(ハ)を満たして訪問診療を実施した場合に算定する。なお、在宅療養移行加算1又は2を算定して訪問診療及び医学管理を行う月のみ以下の体制を確保すればよく、地域医師会等の協力を得て(イ)又は(ロ)に規定する体制を確保することでも差し支えない。
(イ) 当該医療機関単独又は連携する他の医療機関の協力により、24時間の往診体制及び24時間の連絡体制を有していること。
(ロ) 訪問看護が必要な患者に対し、当該保険医療機関、連携する他の医療機関又は連携する訪問看護ステーションが訪問看護を提供する体制を確保していること。
(ハ) 当該医療機関又は連携する医療機関の連絡担当者の氏名、診療時間内及び診療時間外の連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等並びに往診担当医の氏名等について、患者又は患者の家族に文書により提供し、説明していること。
(ニ) 当該医療機関が保有する当該患者の診療情報及び患者の病状の急変時の対応方針について、当該医療機関と連携する医療機関との月に1回程度の定期的なカンファレンスにより当該連携医療機関に適切に提供していること。ただし、当該情報についてICT等を活用して連携する医療機関が常に確認できる体制を確保している場合はこの限りでない。
イ 在宅療養移行加算3については、以下の全ての要件を、在宅療養移行加算4については以下の(イ)から(ニ)を満たして訪問診療を実施した場合に算定する。なお、在宅療養移行加算3又は4を算定して訪問診療及び医学管理を行う月のみ以下の体制を確保すればよく、市町村や地域医師会との協力により(イ)又は(ロ)に規定する体制を確保することでも差し支えない。
(イ) 往診が必要な患者に対し、当該医療機関又は連携する他の医療機関が往診を提供する体制を有していること。
(ロ) 当該医療機関単独又は連携する他の医療機関の協力により、24時間の連絡体制を有していること。
(ハ) 訪問看護が必要な患者に対し、当該医療機関、連携する他の医療機関、連携する訪問看護ステーションが訪問看護を提供する体制を確保していること。
(ニ) 当該医療機関又は連携する他の医療機関の診療時間内及び診療時間外の連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等について、患者又は患者の家族に文書により提供し、説明していること。
(ホ) 当該医療機関が保有する当該患者の診療情報及び患者の病状の急変時の対応方針について、当該医療機関と連携する他の医療機関との月1回程度の定期的なカンファレンスにより連携する他の医療機関に適切に提供していること。ただし、当該情報についてICT等を活用して連携する他の医療機関が常に確認できる体制を確保している場合はこの限りでない。

(21) (20)のアの(イ)及びイの(イ)に掲げる連携する他の医療機関が訪問診療を行った場合には、当該他の医療機関では、在宅時医学総合管理料は算定できない。また、当該他の医療機関が、患家を訪問して診療を行った場合には、「C001」在宅患者訪問診療料(T)及び「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)は算定できず、「C000」往診料を算定すること。また、訪問看護が必要な患者については、当該患者の訪問看護を提供する訪問看護ステーション等に対し、当該他の医療機関の医師による指示についても適切に対応するよう、連携を図ること。

(22) 在宅療養移行加算を算定するに当たって、ICTを用いて連携機関と患者の個人情報を取り扱う場合には、厚生労働省の定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(23) 在宅時医学総合管理料の「注10」又は施設入居時等医学総合管理料の「注5」の規定により準用する在宅時医学総合管理料の「注10」に規定する包括的支援加算は、特掲診療料の施設基準等別表八の三に規定する状態の患者に対し、訪問診療を行っている場合に算定する。当該状態については、以下のとおりとし、いずれの状態に該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ア 「要介護三以上の状態又はこれに準ずる状態」とは、介護保険法第7条に規定する要介護状態区分における要介護3、要介護4若しくは要介護5である状態又は障害者総合支援法における障害支援区分において障害支援区分2以上と認定されている状態をいう。
イ 「日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする認知症の状態」とは、医師が「認知症高齢者の日常生活自立度」におけるランクV以上と診断した状態をいう。
ウ 「頻回の訪問看護を受けている状態」とは、週1回以上訪問看護を受けている状態をいう。
エ 「訪問診療又は訪問看護において処置を受けている状態」とは、訪問診療又は訪問看護において、注射又は喀痰吸引、経管栄養等の処置(特掲診療料の施設基準等第四の一の六(3)に掲げる処置のうち、ヨからレまで及びツからフまでに規定する処置を除く。)を受けている状態をいう。
オ 「介護保険法第八条第十一項に規定する特定施設等看護職員が配置された施設に入居し、医師の指示を受けた看護職員による処置を受けている状態」とは、特定施設、認知症対応型共同生活介護事業所、特別養護老人ホーム、障害者総合支援法第5条第11項に規定する障害者支援施設等に入居又は入所する患者であって、医師による文書での指示を受け、当該施設に配置された看護職員による注射又は処置を受けている状態をいう。処置の範囲はエの例による。
カ 「麻薬の投薬を受けている状態」とは、医師から麻薬の投薬を受けている状態をいう。
キ 「その他関係機関との調整等のために訪問診療を行う医師による特別な医学管理を必要とする状態」とは、以下のいずれかに該当する患者の状態をいう。
(イ) 脳性麻痺、先天性心疾患、ネフローゼ症候群、ダウン症等の染色体異常、川崎病で冠動脈瘤のあるもの、脂質代謝障害、腎炎、溶血性貧血、再生不良性貧血、血友病、血小板減少性紫斑病、先天性股関節脱臼、内反足、二分脊椎、骨系統疾患、先天性四肢欠損、分娩麻痺、先天性多発関節拘縮症、児童福祉法第6条の2第1項に規定する小児慢性特定疾病(同条第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象に相当する状態のものに限る。)及び同法第56条の6第2項に規定する障害児に該当する状態である15歳未満の患者
(ロ) 出生時の体重が1,500g未満であった1歳未満の患者
(ハ) 「超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準」による判定スコアが10以上である患者
(ニ) 訪問診療を行う医師又は当該医師の指示を受けた看護職員の指導管理に基づき、家族等患者の看護に当たる者が注射又は喀痰吸引、経管栄養等の処置(特掲診療料の施設基準等第四の一の六(3)に掲げる処置のうち、ヨからコまでに規定する処置をいう。)を行っている患者

(24) 算定対象となる患者が入居又は入所する施設と特別の関係にある保険医療機関においても、算定できる。

(25) 「3」について、主として往診又は訪問診療を実施する診療所で算定する場合は、それぞれ所定点数の100分の80に相当する点数を算定する。

(26) 悪性腫瘍と診断された患者については、医学的に末期であると判断した段階で、当該患者のケアマネジメントを担当する居宅介護支援専門員に対し、予後及び今後想定される病状の変化、病状の変化に合わせて必要となるサービス等について、適時情報提供すること。

(27) 在宅時医学総合管理料の「注11」について、当該医療機関において、「I002」通院・在宅精神療法及び「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「1」を算定している場合には、在宅時医学総合管理料は算定できない。また、施設入居時等医学総合管理料の「注4」について、当該医療機関において、「I002」通院・在宅精神療法及び「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「1」又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)(注1のイの場合に限る。)を算定している場合には、施設入居時等医学総合管理料は算定できない。ただし、特掲診療料の施設基準等別表第八の四に規定する状態の患者に対し、訪問診療を行っている場合にはこの限りでない。当該別表第八の四に規定する状態のうち、別表第八の二に掲げる状態以外の状態については、以下のとおりとする。
ア 「要介護二以上の状態又はこれに準ずる状態」とは、介護保険法第 7 条に規定する要介護状態区分における要介護2、要介護3、要介護4若しくは要介護5である状態又は身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に規定する身体障害者であって、障害者総合支援法第4条第4項に規定する障害支援区分において障害支援区分2、障害支援区分3、障害支援区分4若しくは障害支援区分5である状態をいう。
イ 「訪問診療又は訪問看護において処置を受けている状態」及び「介護保険法第八条第十一項に規定する特定施設等看護職員が配置された施設に入居し、医師の指示を受けた看護職員による処置を受けている状態」については、それぞれ(23)のエ及びオの例によること。
ウ 「がんに対し治療を受けている状態」及び「精神疾患以外の疾患の治療のために訪問診療を行う医師による特別な医学管理を必要とする状態」は、それぞれ悪性腫瘍と診断された患者であって、悪性腫瘍に対する治療(緩和ケアを含む。)を行っている状態及び(23)のキに該当する状態をいう。

(28) 情報通信機器を用いた診療を行っている場合については、次の点に留意すること。
ア 情報通信機器を用いた診療は、訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成し、当該計画に基づいて、計画的な療養上の医学管理を行うことを評価したものである。
イ 患者の同意を得た上で、訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成する。当該計画の中には、患者の急変時における対応等も記載する。
ウ 当該計画に沿って、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行った際には、当該管理の内容、当該管理に係る情報通信機器を用いた診療を行った日、診察時間等の要点を診療録に記載すること。
エ 情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行う医師は、在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料を算定する際に診療を行う医師と同一のものに限る。ただし、在宅診療を行う医師が、同一の保険医療機関に所属するチームで診療を行っている場合であって、あらかじめ診療を行う医師について在宅診療計画に記載し、複数医師が診療を行うことについて患者の同意を得ている場合に限り、事前の対面診療を行っていない医師が情報通信機器を用いた診療による医学管理を行っても差し支えない。
オ 情報通信機器を用いた診療を行う際には、オンライン指針に沿って診察を行う。
カ 情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理は、原則として、保険医療機関に所属する保険医が保険医療機関内で実施すること。なお、保険医療機関外で情報通信機器を用いた診療を実施する場合であっても、オンライン指針に沿った適切な診療が行われるものであり、情報通信機器を用いた診療を実施した場所については、事後的に確認可能な場所であること。
キ 当該管理料を算定する場合、情報通信機器を用いた診療を受ける患者は、当該患者の自宅において情報通信機器を用いた診療を受ける必要がある。また、複数の患者に対して同時に情報通信機器を用いた診療を行った場合、当該管理料は算定できない。
ク 当該診察を行う際の情報通信機器の運用に要する費用については、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。



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医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
在宅医療の在宅時医学総合管理料(在宅移行早期加算、頻回訪問加算、在宅療養移行加算、情報通信機器を用いた在宅診療、在宅医療情報連携加算を含む)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(110):往診料

3  指摘事項(111):緊急往診加算

4  指摘事項(112):在宅ターミナルケア加算

5  指摘事項(113):看取り加算

6  指摘事項(114):往診時医療情報連携加算

7  指摘事項(115):在宅患者訪問診療料(T)

8  指摘事項(116):在宅患者訪問診療料(U)

9  指摘事項(117):在宅時医学総合管理料

10 指摘事項(118):施設入居時等医学総合管理料

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