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訪問看護指示料(手順書加算を含む)での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(124):訪問看護指示料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、訪問看護指示料(手順書加算含む)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 個別指導(厚生局)と弁護士の帯同

     2 新規個別指導(厚生局)の手続き概要


訪問看護指示料での指摘事項


 1 訪問看護指示料の不適切な算定

訪問看護指示書の作成がない。

訪問看護指示書の様式の項目欄について、参考様式で示している項目がない。

訪問看護指示書の項目欄への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。

診療に基づかない訪問看護指示書を交付している。

指定訪問看護について患者の同意を[得ていない・得たことが明らかではない]。

訪問看護指示書等の写しが診療録に添付されていない。

手順書加算(注3)について次の不適切な例が認められたので改めること。
・規定された特定行為に係わる管理以外について算定している。
・規定された研修を修了していない看護師に対し交付している。

【コメント】
訪問看護指示料について、訪問看護指示書は、医師の診察に基づき、医師の責任において交付するものであるため、訪問看護指示書の様式は、訪問看護ステーションが準備するものではなく、医師の所属する医療機関が準備し、その交付についても医療機関の責任において行うものであるとされています。

さらに、訪問看護指示料について、外泊期間中に入院患者が訪問看護ステーションから訪問看護を受ける場合、入院医療機関の主治医が訪問看護ステーションに対して訪問看護指示書を交付することになるが、入院中の患者に対しての訪問看護指示料の算定は、退院時に1回算定可能であり、なお、当該患者の退院後の在宅医療における訪問看護の指示を外泊後(入院中)に改めて出したとしても、入院中の患者については外泊時に出した指示も含め、算定可能なのは退院時の1回のみであるとされています。

また、訪問看護指示料について、「退院時に1回算定できる」とあるが、訪問看護指示書を患者の退院日に交付する場合だけでなく、例えば、退院日に主治医が不在である等の理由により退院日前に訪問看護指示書を交付する場合においても、退院日に算定可能であるとされていますので、留意が求められます。

参考:訪問看護指示料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第2部 在宅医療
 第1節 在宅患者診療・指導料
<訪問看護指示料>
(1) 訪問看護指示料は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、負傷のために通院による療養が困難な者に対する適切な在宅医療を確保するため、指定訪問看護に関する指示を行うことを評価するものであり、在宅での療養を行っている患者の診療を担う保険医(患者が選定する保険医療機関の保険医に限る。以下この項において「主治医」という。)が、診療に基づき指定訪問看護の必要性を認め、当該患者の同意を得て、別紙様式16を参考に作成した訪問看護指示書に有効期間(6月以内に限る。)を記載して、当該患者が選定する訪問看護ステーション等に対して交付した場合に算定する。なお、1か月の指示を行う場合には、訪問看護指示書に有効期間を記載することを要しない。

(2) 主治医は、在宅療養に必要な衛生材料及び保険医療材料(以下この項において「衛生材料等」という。)の量の把握に努め、十分な量の衛生材料等を患者に支給すること。

(3) 指定訪問看護の指示は、当該患者に対して主として診療を行う保険医療機関が行うことを原則とし、訪問看護指示料は、退院時に1回算定できるほか、在宅での療養を行っている患者について1月に1回を限度として算定できる。なお、同一月において、1人の患者について複数の訪問看護ステーション等に対して訪問看護指示書を交付した場合であっても、当該指示料は、1月に1回を限度に算定するものであること。ただし、A保険医療機関と特別の関係にあるB保険医療機関において「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は「C005−1−2」同一建物居住者訪問看護・指導料及び「I012」精神科訪問看護・指導料を算定している月においては、A保険医療機関は当該患者について訪問看護指示料は算定できない。

(4) 「注2」に規定する特別訪問看護指示加算は、患者の主治医が、診療に基づき、急性増悪、終末期、退院直後等の事由により、週4回以上の頻回の指定訪問看護を一時的に当該患者に対して行う必要性を認めた場合であって、当該患者の同意を得て、別紙様式18を参考に作成した特別訪問看護指示書を、当該患者が選定する訪問看護ステーション等に対して交付した場合に、1月に1回(別に厚生労働大臣が定める者については2回)を限度として算定する。ここでいう頻回の訪問看護を一時的に行う必要性とは、恒常的な頻回の訪問看護の必要性ではなく、状態の変化等で日常行っている訪問看護の回数では対応できない場合であること。また、その理由等については、特別訪問看護指示書に記載すること。なお、当該頻回の指定訪問看護は、当該特別の指示に係る診療の日から14日以内に限り実施するものであること。
【厚生労働大臣が定める者】
ア 気管カニューレを使用している状態にある者
イ 以下の(イ)又は(ロ)のいずれかの真皮を越える褥瘡の状態にある者
(イ) NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類V度又はW度
(ロ) DESIGN-R2020分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4又はD5

(5) 患者の主治医は、指定訪問看護の必要性を認めた場合には、診療に基づき速やかに訪問看護指示書及び特別訪問看護指示書(以下この項において「訪問看護指示書等」という。)を作成すること。当該訪問看護指示書等には、緊急時の連絡先として、診療を行った保険医療機関の電話番号等を必ず記載した上で、訪問看護ステーション等に交付すること。また、当該訪問看護指示書等には、原則として主たる傷病名の傷病名コードを記載すること。なお、訪問看護指示書等は、特に患者の求めに応じて、患者又はその家族等を介して訪問看護ステーション等に交付できるものであること。

(6) 主治医は、交付した訪問看護指示書等の写しを診療録に添付すること。

(7) 患者の主治医は、当該訪問看護指示書交付後であっても、患者の病状等に応じてその期間を変更することができるものであること。なお、指定訪問看護の指示を行った保険医療機関は、訪問看護ステーション等からの対象患者について相談等があった場合には、懇切丁寧に対応すること。

(8) 「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は「C005−1−2」同一建物居住者訪問看護・指導料の(4)に掲げる疾病等の患者について、2つの訪問看護ステーション等に対して訪問看護指示書を交付する場合には、それぞれの訪問看護指示書に、他の訪問看護ステーション等に対して訪問看護指示書を交付している旨及び当該他の訪問看護ステーション等の名称を記載すること。

(9) 「注3」に規定する手順書加算は、患者の主治医が、診療に基づき、訪問看護において保健師助産師看護師法第37条の2第2項第1号に規定する特定行為(訪問看護において専門の管理を必要とするものに限る。)に係る管理の必要を認め、同項第2号に規定する手順書を当該患者が選定する訪問看護ステーション等の看護師(同項第5号に規定する指定研修機関において行われる研修を修了した者に限る。)に対して交付した場合に、患者1人につき6月に1回を限度として算定する。手順書を交付した主治医は当該訪問看護ステーション等の当該看護師と共に、患者の状態に応じて手順書の妥当性を検討すること。なお、特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものとは、以下のアからキまでに掲げるものをいう。
ア 気管カニューレの交換
イ 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
ウ 膀胱ろうカテーテルの交換
エ 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
オ 創傷に対する陰圧閉鎖療法
カ 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
キ 脱水症状に対する輸液による補正

(10) 「注4」に規定する衛生材料等提供加算は、在宅療養において衛生材料等が必要な患者に対し、当該患者へ訪問看護を実施している訪問看護ステーション等から提出された訪問看護計画書及び訪問看護報告書を基に、療養上必要な量について判断の上、必要かつ十分な量の衛生材料等を患者に支給した場合に算定する。

(11) 「C002」在宅時医学総合管理料、「C002−2」施設入居時等医学総合管理料、「C003」在宅がん医療総合診療料、「C005−2」在宅患者訪問点滴注射管理指導料、第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料を算定した場合は、「注4」の加算は当該管理料等に含まれ別に算定できない。



厚生局の個別指導、監査に臨む医師、医療機関の方はお電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
訪問看護指示料(手順書加算含む)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(110):往診料

3  指摘事項(111):緊急往診加算

4  指摘事項(112):在宅ターミナルケア加算

5  指摘事項(113):看取り加算

6  指摘事項(114):往診時医療情報連携加算

7  指摘事項(115):在宅患者訪問診療料(T)

8  指摘事項(116):在宅患者訪問診療料(U)

9  指摘事項(117):在宅時医学総合管理料

10 指摘事項(118):施設入居時等医学総合管理料

11 指摘事項(119):在宅がん医療総合診療料

12 指摘事項(120):救急患者連携搬送料

13 指摘事項(121):在宅患者訪問看護・指導料

14 指摘事項(122):在宅患者訪問点滴注射管理指導

15 指摘事項(123):在宅患者訪問リハ指導管理料

16 指摘事項(124):訪問看護指示料

17 指摘事項(125):在宅患者訪問薬剤管理指導料

18 指摘事項(126):在宅患者緊急時等カンファレンス料

19 指摘事項(127):外来在宅共同指導料

20 指摘事項(128):在宅がん患者緊急時医療情報

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