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在宅がん医療総合診療料での厚生局の指摘事項(医科)、算定留意事項のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療での指摘事項(119):在宅がん医療総合診療料

医療機関への個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、医科の医療機関の保険診療に関して、在宅がん医療総合診療料(小児加算、在宅医療情報連携加算を含む)での確認事項、個別指導での指摘事項、算定要件、算定留意事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省の医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改訂版ver.1に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取り扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる可能性があることに注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、新規個別指導に臨む保険医である医師の方は、まずは以下のコラムをご覧いただくことをお勧めします。

【コラム】1 個別指導(厚生局)と弁護士の帯同

     2 新規個別指導(厚生局)の手続き概要


在宅がん医療総合診療料での指摘事項


 1 在宅がん医療総合診療料の不適切な算定

末期の悪性腫瘍ではない患者について算定している。

在宅療養支援診療所において、患者の[病状・治療計画・直近の診療内容]等の情報を記載した文書(電子媒体を含む。)について、[連携保険医療機関等に随時提供・診療録に添付]していない。

[連携する訪問看護ステーションが行った訪問看護・病状急変時等に連携保険医療機関の保険医が行った往診]について、報告を受けた診療内容等の要点が、[在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院]の診療録に記載されていない。

小児加算
・15歳未満(児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満)の患者ではない。

在宅医療情報連携加算
・ICTを用いて記録された情報を取得及び活用し、計画的な医学管理を行っていない。
・ICTを用いて記録された患者の医療・ケアに関わる情報の取得、活用、医療関係職種等との共有について、患者の同意を得ていない。

【コメント】
在宅がん医療総合診療料に関して、小規模多機能型居宅介護又は複合型サービスを受けている患者(宿泊サービス利用中の患者に限る。)について、在宅がん医療総合診療料を算定できるとされているが、訪問診療については、宿泊サービス利用中の患者に対して、サービス利用日の日中に行った場合も、在宅がん医療総合診療料を算定当該診療料等を算定できるとされています。

なお、在宅がん医療総合診療料の算定に関して、診療報酬明細書「摘要」欄への記載事項として、在宅がん医療総合診療料を算定した週において、訪問診療、訪問看護を行った年月日を記載すること、連携保険医療機関または訪問看護ステーションが行った訪問看護についても同様であることとされていますので、留意が求められます。

参考:在宅がん医療総合診療料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
第2部 在宅医療
 第1節 在宅患者診療・指導料
<在宅がん医療総合診療料>
(1) 在宅がん医療総合診療料は、別に厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関である在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院が、在宅での療養を行っている通院が困難な末期の悪性腫瘍の患者(医師又は看護師等の配置が義務付けられている施設に入居又は入所している患者(給付調整告示等に規定する場合を除く。)の場合を除く。)であって、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供しているものに対して、計画的な医学管理の下に、次に掲げる基準のいずれにも該当する総合的な医療を提供した場合に、1週間(日曜日から土曜日までの暦週をいう。本項において同じ。)を単位として当該基準を全て満たした日に算定する。
ア 当該患者に対し、訪問診療又は訪問看護を行う日が合わせて週4日以上であること(同一日において訪問診療及び訪問看護を行った場合であっても1日とする。)。
イ 訪問診療の回数が週1回以上であること。
ウ 訪問看護の回数が週1回以上であること。

(2) 在宅がん医療総合診療料は、1週間のうちに全ての要件を満たさなかった場合、1週間のうちに在宅医療と入院医療が混在した場合には算定できない。ただし、現に在宅がん医療総合診療料を算定している患者が、当該在宅療養支援診療所又は当該在宅療養支援病院に一時的に入院する場合は、引き続き計画的な医学管理の下に在宅における療養を継続しているものとみなし、当該入院の日も含めた1週間について、(1)のアからウまでの要件を満たす場合には、在宅がん医療総合診療料を算定できるものとする。ただし、この場合には、入院医療に係る費用は別に算定できない。

(3) 在宅療養支援診療所において、連携により必要な体制を確保する場合にあっては、緊急時の往診又は訪問看護を連携保険医療機関等の医師又は看護師等が行うことが有り得ることを予め患者等に説明するとともに、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急時の対応に必要な診療情報を連携保険医療機関等に文書(電子媒体を含む。)により随時提供し、当該提供した診療情報は当該患者の診療録に添付すること。なお、連携保険医療機関等の保険医又は看護師等との診療情報の共有に際し、当該患者の診療情報の提供を行った場合、これに係る費用は各所定点数に含まれ別に算定できない。

(4) 在宅療養支援診療所と連携保険医療機関等、又は在宅療養支援病院と訪問看護ステーションが共同で訪問看護を行い、又は緊急時の往診体制をとっている場合は、当該患者の訪問看護、往診に係る費用は、在宅がん医療総合診療料を算定する在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医の属する保険医療機関において一括して算定する。

(5) 連携保険医療機関等又は在宅療養支援病院と連携する訪問看護ステーションが当該患者に訪問看護を行った場合又は当該患者の病状急変時等に連携保険医療機関の保険医が往診を行った場合は、当該連携保険医療機関等又は在宅療養支援病院と連携する訪問看護ステーションは、診療内容等を在宅がん医療総合診療料を算定する在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医に速やかに報告し、当該保険医は診療内容等の要点を当該患者の診療録に記載する必要がある。ただし、これに係る診療情報提供の費用は所定点数に含まれ別に算定できない。

(6) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院は、算定の対象となる患者について、総合的な在宅医療計画を策定し、これに基づいて訪問診療及び訪問看護を積極的に行うとともに、他の保健医療サービス又は福祉サービスとの連携に努めること。なお、在宅がん医療総合診療は、同一の患者に対して継続的に行うことが望ましい。

(7) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院が、当該患者に対して診療を行おうとする場合には、当該患者等に対し照会等を行うことにより、他の保険医療機関における在宅がん医療総合診療料の算定の有無を確認すること。

(8) 「1」に規定する「在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの」とは、特掲診療料施設基準通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援診療所、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援病院である。「1のイ」に規定する「病床を有する場合」、「1のロ」に規定する「病床を有しない場合」とは、同通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の2の(1)及び(2)、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の2の(1)の規定による。

(9) 1週間のうち院外処方箋を交付した日がある場合は、当該1週間分を「院外処方箋を交付する場合」で算定し、それ以外の場合は「院外処方箋を交付しない場合」で算定する。なお、当該診療を開始又は終了(死亡による場合を含む。)した週にあって、当該1週間のうちに(1)に掲げる基準を満たした場合には、当該診療の対象となった日数分について算定する。

(10) 「注2」に規定する加算は、在宅での療養を行っている患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診又は訪問診療を行い、死亡診断を行った場合に算定する。ただし、(12)のイに基づき、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)の注6の規定により準用する「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」に規定する加算を算定する場合には、算定できない。

(11) 当該患者の診療に係る費用は、(12)に掲げる費用及び「注2」の加算を除き、全て所定点数に含まれる。ただし、同一月において在宅がん医療総合診療料が算定された日の前日までに算定された検体検査判断料等については、別に算定できる。

(12) 「注3」の特に規定するものとは次の費用であり、当該費用は、要件を満たせば在宅がん医療総合診療料と別に算定できる。
ア 週3回以上の訪問診療を行った場合であって、訪問診療を行わない日に患家の求めに応じて緊急に往診を行った場合の往診料(「C000」往診料の「注1」及び「注2」の加算を含む。)(ただし、週2回を限度とする。)
イ 「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注6」に規定する加算及び「注7」に規定する加算並びに「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)の「注5」に規定する加算及び「注6」の規定により準用する「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」に規定する加算(ただし、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注6」に規定する加算又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)の「注5」の加算を算定する場合には、「C005」在宅患者訪問看護・指導料の「注10」の加算及び「C005−1−2」同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の規定により準用する「C005」在宅患者訪問看護・指導料の「注10」の加算、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」の加算又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)の「注6」の規定により準用する「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」の加算を算定する場合には、在宅がん医療総合診療料の「注2」の加算、「C005」在宅患者訪問看護・指導料の「注10」の加算及び「C005−1−2」同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の規定により準用する「C005」在宅患者訪問看護・指導料の「注10」の加算は別に算定できない。なお、在宅療養支援診療所及びその連携保険医療機関が連携して「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注6」の加算又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)の「注5」に規定する加算の要件を満たした場合には在宅療養支援診療所が、当該「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」の加算又は「C001−2」在宅患者訪問診療料(U)の「注6」の規定により準用する「C001」在宅患者訪問診療料(T)の「注7」の加算の要件を満たした場合については、看取った保険医療機関が診療報酬請求を行い、それぞれの費用の分配は相互の合議に委ねることとする。)
ウ 第14部に規定するその他の費用(ただし、訪問診療を行った場合に限る。)

(13) 当該患者を担当する居宅介護支援事業者に対し、予後及び今後想定される病状の変化、病状の変化に合わせて必要となるサービス等について、適時情報提供すること。

(14) 「注4」に規定する交通費は実費とする。

(15) 「注6」に掲げる小児加算については、15歳未満(児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満)の患者に対して診療が行われた場合に週に1回を限度として算定する。

(16) 「注7」に規定する在宅データ提出加算の取扱いは、「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002−2」施設入居時等医学総合管理料の(29)と同様である。

(17) 「注8」に規定する在宅医療DX情報活用加算の取扱いは、「C001」在宅患者訪問診療料(T)の(24)から(26)と同様である。

(18) 「注9」に規定する在宅医療情報連携加算の取扱いは、「C002」在宅時医学総合管理料、「C002―2」施設入居時等医学総合管理料の(30)と同様である。



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医療機関・医師への指導、監査のコラム


厚生局による医療機関・保険医への個別指導と監査に関する弁護士のコラムです。
在宅がん医療総合診療料(小児加算、在宅医療情報連携加算を含む)での指摘事項、算定要件、算定での留意事項の他にもコラムがございます。
個別指導(医科)の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 1 個別指導と監査の対応法

1  医療機関への厚生局の個別指導の対応法

 2 保険診療での指摘事項

1  指摘事項のコラム一覧

2  指摘事項(110):往診料

3  指摘事項(111):緊急往診加算

4  指摘事項(112):在宅ターミナルケア加算

5  指摘事項(113):看取り加算

6  指摘事項(114):往診時医療情報連携加算

7  指摘事項(115):在宅患者訪問診療料(T)

8  指摘事項(116):在宅患者訪問診療料(U)

9  指摘事項(117):在宅時医学総合管理料

10 指摘事項(118):施設入居時等医学総合管理料

11 指摘事項(119):在宅がん医療総合診療料

12 指摘事項(120):救急患者連携搬送料

13 指摘事項(121):在宅患者訪問看護・指導料

14 指摘事項(122):在宅患者訪問点滴注射管理指導

15 指摘事項(123):在宅患者訪問リハ指導管理料

16 指摘事項(124):訪問看護指示料

17 指摘事項(125):在宅患者訪問薬剤管理指導料

18 指摘事項(126):在宅患者緊急時等カンファレンス料

19 指摘事項(127):外来在宅共同指導料

20 指摘事項(128):在宅がん患者緊急時医療情報

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