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診療情報提供料(T)と薬剤情報提供料(医学管理等)の算定に係る保険診療(医科)のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険診療での留意事項(5):診療情報提供料(T)、薬剤情報提供料

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ここでは、医学管理等の診療情報提供料(T)と薬剤情報提供料に関して、保険診療、診療報酬請求で厚生局の個別指導を見据えて留意すべき事項のポイントをご説明します。ただし、以下は本コラム作成時点(2022年9月)のもので最新のものではなく、また、あくまで原則的なもので地域などにより運用等異なる場合がありますので、注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】厚生局の個別指導と監査
     https://医科個別指導弁護士.com/ika-kobetushidou.html



診療情報提供料(T)と薬剤情報提供料に関する留意事項


 1 診療情報提供料(T)の算定ルールのポイント

1 診療情報提供料(T)の算定

診療情報提供料(T)は、原則として、保険医療機関が、診療に基づき他の機関での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て当該機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定できます。

紹介にあたっては、事前に紹介先の機関と調整の上、所定の紹介機関ごとに定める様式またはこれに準じた様式の文書に必要事項を記載し、患者または紹介先の機関に交付し、かつ、交付した文書の写しを診療録に添付するとともに、診療情報の提供先からのその患者に係る問い合わせに懇切丁寧に対応することが求められます。

2 算定上の留意点

診療情報提供料(T)は、診療情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関に情報提供が行われた場合や、市町村等が開設主体である保険医療機関がその市町村等に情報提供を行った場合は算定できません。

保険医療機関に検査または画像診断の設備がないため、特別の関係にない他の保険医療機関に診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合は、診療情報提供料(T)を算定できます。

その場合において、他の保険医療機関が単に検査または画像診断の設備の提供に留まる場合は、他の保険医療機関において診療情報提供料(T)・初診料・検査料・画像診断料等は算定できず(この場合は検査料・画像診断料等を算定する依頼した保険医療機関との合議の上での費用の精算が求められます。)、また、他の保険医療機関が検査または画像診断の判読も含めて依頼を受け、その結果を依頼した保険医療機関に文書で回答した場合は、他の医療機関は診療情報提供料(1)を算定でき、初診料・検査料・画像診断料等を算定できるが、依頼した保険医療機関では検査料・画像診断料等は算定できません。

なお、患者の受診を伴わない経過報告、患者紹介に対する返事、紹介先の機関名を特定していない文書である場合などについては、算定できません。また、厚生局の個別指導においては、交付した文書の項目欄(依頼目的等)の充実を指摘されることがありますので、留意する必要があります。

 2 薬剤情報提供料の算定ルールのポイント

1 薬剤情報提供料の算定

薬剤情報提供料は、入院中の患者以外の患者に対して、処方した薬剤の一般名または商品名である名称、用法、用量、効能、効果、副作用、相互作用に関する主な情報を、その処方に係るすべての薬剤について薬袋等を含む文書で提供した場合に、月1回に限り算定できます。効能、効果、副作用、相互作用に関する情報は、患者が理解しやすい表現であることが求められます。

以上の場合において、さらに、その患者の求めに応じて薬剤服用歴が経時的に管理できる手帳に、処方した薬剤の名称、保険医療機関名、処方年月日を記載した場合には、月1回に限り手帳記載加算を算定できます。この場合の手帳とは、経時的に薬剤の記録が記載でき、かつ、@患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録、A患者のアレルギー歴や副作用歴等薬物療法の基礎となる記録、B患者の主な既往歴等疾病に関する記録、以上の@〜Bの事項を記録する欄のある薬剤の記録用の手帳をいいます。

2 算定上の留意事項

保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付した患者については、薬剤情報提供料は算定できません。

やむを得ない理由で薬剤の名称に関する情報を提供できない場合は、これに代えて薬剤の色や剤形等の形状に関する情報を提供することで算定できます。

同一薬剤であっても、投与目的(効能または効果)が異なる場合には、当該情報を提供すれば薬剤情報提供料を算定できます。また、類似する効能または効果を有する薬剤への変更の場合であっても薬剤情報提供料を算定できます。

処方の内容に変更があった場合については、その都度薬剤情報提供料を算定できます。ただし、薬剤の処方日数のみの変更の場合は、薬剤情報提供料は算定できません。

薬剤情報提供料を算定した場合は、薬剤情報を提供した旨を診療録等に記録することが必要です。厚生局のクリニックへの個別指導では、この診療録等への記載がないことがしばしば指摘される印象ですので、十分留意して下さい。


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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
診療情報提供料(T)・薬剤情報提供料の他、多数コラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

 5 保険診療での留意事項


1  診療録(カルテ)の記載と保存のルール

2  傷病名のカルテ記載とレセプト病名

3  初診料と再診料の算定ルールのポイント

4  特定疾患療養管理料と特定薬剤治療管理料1

5  診療情報提供料(T)と薬剤情報提供料

6  往診料と在宅患者訪問診療料のポイント

7  超音波検査と呼吸心拍監視のポイント

8  エックス線診断料とコンピューター断層撮影診断料

9  処方箋料とリフィル処方箋のポイント

10 皮内、皮下及び筋肉内注射と静脈内注射

11 運動器リハビリテーション料のポイント

12 リハビリテーション総合計画評価料のポイント

13 通院精神療法(精神科専門療法)のポイント

14 精神科ショート・ケアと精神科デイ・ケア

15 創傷処置と皮膚科軟膏処置のポイント

16 消炎鎮痛等処置、湿布処置のポイント

17 人工腎臓(処置)の算定ルールのポイント

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