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処方箋料(投薬)の算定とリフィル処方箋の保険診療(医科)のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険診療での留意事項(9):処方箋料、リフィル処方箋

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ここでは、投薬の処方箋料とリフィル処方箋に関して、保険診療、診療報酬請求で厚生局の個別指導を見据えて留意すべき事項のポイントをご説明します。ただし、以下は本コラム作成時点(2022年9月)のもので最新のものではなく、また、あくまで原則的なもので地域などにより運用等異なる場合がありますので、注意が必要です。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】厚生局の個別指導と監査
     https://医科個別指導弁護士.com/ika-kobetushidou.html



投薬の処方箋料とリフィル処方箋に関する留意事項


 1 処方箋料の算定ルールのポイント

1 処方箋料の算定

処方箋料は、保険薬局で保険調剤を受けさせるために、患者に療養担当規則に定められている様式の完備した処方箋(院外処方箋)を交付した場合に限り算定でき、その処方箋に処方した剤数、投与量(日分数)等にかかわらず1回として算定します。

分割指示に係る処方箋を発行する場合は、療養担当規則に定められている係る様式を用いるものとし、分割の回数は3回までとなります。また、患者に対し、調剤を受けるたびに別紙を含む分割指示に係る処方箋の全てを保険薬局に提出するように指示することが求められます。

同一の保険医療機関が一連の診療に基づいて、同時に、同一の患者に2枚以上の処方箋を交付した場合は、1回として算定します。

同一の患者に対して、同一診療日に、一部の薬剤を院内で投薬し、他の薬剤を院外処方箋で投薬することは、原則として認められません。また、注射器、注射針、またはその両方のみを処方箋により投与することは認められません。

複数の診療科を標榜する保険医療機関において、2以上の診療科で、異なる医師が処方した場合は、それぞれの処方について処方箋料を算定できます。

2 算定上の留意点

後発医薬品への変更調剤が行われ実際に薬剤変更がなされた場合は、処方医の属する医療機関は診療録・カルテの薬剤名の記載を変更し、保険薬局からの報告を診療録・カルテに適切に反映することが望ましいとされています。

処方箋料の前提となる基本的な留意事項を記載しますと、患者を診察せず処方箋の交付はできません。また、保険診療においては、厚生労働大臣が定める医薬品以外薬物を用いることはできません。原則として薬価基準に収載されている医薬品を医薬品医療機器等法承認事項(効能、効果、用法、用量、禁忌等)の範囲内で使用する必要があります。経口と注射の両方が選択可能な場合は、経口投与が第一選択となります。処方箋の交付を行うにあたっては、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の仕様を考慮し、患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等、患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならないとされています。

処方箋料に関連して厚生局の個別指導でしばしば指摘される事項としては、@禁忌処方、A適応外処方、B長期漫然処方、Cビタミン剤の処方についてビタミン剤の処方が必要かつ有効と判断した趣旨が具体的に診療録・カルテに記載されていない、D抗菌薬等の処方について、細菌培養同定検査・薬剤感受性検査等の適正な手順を踏まずに必要性の乏しい広域抗菌薬を処方している、細菌感染症の所見・徴候が認められない患者に対して予防的に抗菌薬を処方している、といったものが挙げられます。院外処方の医師においては、日常の診療で十分留意することが求められます。なお、厚生局の医療機関への個別指導において処方箋の不適切な運用が明らかになった場合、その内容によっては、薬局の個別指導に結び付くことがあります。

 2 リフィル処方箋のポイント

1 リフィル処方箋とは

リフィル処方箋は、症状が安定している患者について、医師と薬剤師の適切な連携の下で、一定期間内に処方箋を反復利用できる仕組みです。

保険医療機関で保険医がリフィルによる処方が可能と判断した場合には、処方箋の「リフィル可」の欄にレ点を記入します。リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までで、1回あたりの投薬期間と総投薬期間は、医師が患者の病状等を踏まえ個別に医学的に適切と判断した期間とします。

2 リフィル処方箋の留意事項

療養担当規則において、投与量に限度が定められている医薬品や湿布薬については、リフィル処方箋による処方を行うことはできません。

処方箋の交付について、リフィル処方箋を行う医薬品と行わない医薬品を処方する場合には、処方箋を分ける必要があります。また、リフィル処方で2種類以上の医薬品を処方する場合であって、それぞれの医薬品に係るリフィル処方箋の1回の使用の投薬期間が異なる場合やリフィル処方箋の使用回数の上限が異なる場合は、医薬品ごとに処方箋を分ける必要があります。


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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
処方箋料、リフィル処方箋の他、多数のコラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

 5 保険診療での留意事項


1  診療録(カルテ)の記載と保存のルール

2  傷病名のカルテ記載とレセプト病名

3  初診料と再診料の算定ルールのポイント

4  特定疾患療養管理料と特定薬剤治療管理料1

5  診療情報提供料(T)と薬剤情報提供料

6  往診料と在宅患者訪問診療料のポイント

7  超音波検査と呼吸心拍監視のポイント

8  エックス線診断料とコンピューター断層撮影診断料

9  処方箋料とリフィル処方箋のポイント

10 皮内、皮下及び筋肉内注射と静脈内注射

11 運動器リハビリテーション料のポイント

12 リハビリテーション総合計画評価料のポイント

13 通院精神療法(精神科専門療法)のポイント

14 精神科ショート・ケアと精神科デイ・ケア

15 創傷処置と皮膚科軟膏処置のポイント

16 消炎鎮痛等処置、湿布処置のポイント

17 人工腎臓(処置)の算定ルールのポイント

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