健康診断の不正請求の情報提供での個別指導（医科）の実例です。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、県の医療保健部医務国保課から、健康診断の不正請求の情報提供が厚生局にあり、個別指導が実施され、中断、監査となり、健康診断の不正請求などにより指定の取消相当となった実例をご紹介します。東海北陸厚生局の令和３年２月付けの取消相当の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】厚生局の個別指導と監査
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健康診断の不正請求の情報提供での個別指導、監査の実例

　１　監査に至った経緯

１　健康診断での保険診療の情報提供

平成30年４月４日、三重県医療保健部医務国保課から東海北陸厚生局三重事務所に対し、医院で健康診断を受けた者から健康診断を受けたにもかかわらず保険診療を受けたことになっていた旨の情報提供が寄せられたとの連絡があった。

【コメント】
保険診療として認められない健康診断について、保険診療を受けたことにして診療報酬を請求することは認められません。本ケースでは、医療保健部医務国保課から厚生局に情報提供がなされており、組織として厚生局に情報提供がなされていると考えられ、厚生局としては、患者などからの情報提供に比し、優先的に対応する傾向があるものと思われます。

２　健康診断の不正請求の自認、個別指導の中断

令和元年８月７日、個別指導を実施したところ、医師は、患者負担が軽減されると思い、健康診断を行ったものを請求してはいけないことを知りつつ診療報酬を請求していた旨を述べた。

これにより、健康診断を実施したにもかかわらず、保険診療を行ったものとして診療報酬を請求していることが疑われたことから、個別指導を中断した。

【コメント】
個別指導で、医師が、健康診断に関して、認められていないことを知りつつ診療報酬を請求していた旨を述べ、個別指導の中断に至っています。

医師が、故意に、意図的に不正請求を行っていた場合、刑法上の詐欺罪に該当するなどの場合もあり、厚生局としては、特に厳しく対応することになるものと考えられます。

なお、本ケースでは、健康診断の不正請求について情報提供があったのは平成３０年４月ですが、個別指導が実施されたのは令和元年８月であり、このように、情報提供に基づき個別指導が実施される場合でも、その情報提供からかなり期間があいてから個別指導の実施となるケースが稀ではないイメージです。

３　患者調査の実施、不正の確認、監査の実施

令和元年10月１日から同月30日までに患者調査を実施したところ、健康診断を受けたにもかかわらず診療報酬が請求されている事象が多数認められ、健康診断受診者について、診療報酬を請求していることが強く疑われたことから個別指導を中止し、監査を実施した。

【コメント】
患者調査が実施される場合、模索的な探索的なスタンスではなく、相応の不正請求の疑義を前提に、監査を念頭に実施されることが多い印象です。

本ケースでは、患者調査の結果、健康診断を受けたにもかかわらず診療報酬が請求されている例が多数認められ、監査の実施に至っています。

　２　取消相当の理由と不正請求額

１　取消相当の主な理由

東海北陸厚生局の公表資料によれば、監査において判明した取消相当の理由となる主な事実は、以下のとおりです。

健康診断の不正請求：
保険診療として認められていない健康診断を、保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。

がん検診の不正請求：
保険診療として認められていないがん検診を、保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。

不正請求の一部負担金の受領：
不正請求分に係る一部負担金を受領していた。

【コメント】
本ケースの端緒となった情報提供に係る健康診断の不正請求などにより、取消相当となっています。

２　不正請求額

平成２７年２月から令和元年７月までについて、レセプト９８件６０名分で３９万９７８９円の不正請求が、監査で判明しています。

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