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架空請求の情報提供での個別指導、監査(医科)の実例です。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(28):架空請求での個別指導、監査

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、架空請求の情報提供、通報で厚生局の個別指導が実施され、中断、監査となり、架空請求の不正請求などで指定の取消相当となった実例をご紹介します。九州厚生局の令和4年1月付けの取消相当の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】厚生局の個別指導と監査
     https://医科個別指導弁護士.com/ika-kobetushidou.html



架空請求の情報提供での個別指導、監査の実例


 1 監査に至った経緯

1 無診察処方、架空請求の情報提供

平成28年12月26日、匿名の者から九州厚生局鹿児島事務所に対し、当該クリニックにおいて、@無診察処方が恒常的に行われている、A遠方の患者に対し、薬を送っている旨の情報提供があった。

さらに平成29年1月10日、同一と思われる者から、B受診した本人ではなく、受診した者の母親の被保険者証を使って請求をしていた旨の情報提供があった。

【コメント】
無診察処方や架空請求などの情報提供、通報が、匿名の者からなされています。

厚生局に不正請求の情報提供、通報があった場合、その内容や信ぴょう性を総合的に検討の上で、個別指導などの対応をするか、厚生局は判断しているものと考えられます。

2 架空請求等の疑義での個別指導の中断

平成29年4月28日、個別指導を実施したところ、日計表等の資料から上記A及びBの情報提供内容が認められ、医師に確認を求めたところ、Aについて、向精神薬を郵送した事実を認めた。

これらのことから、無診察処方及び上記Bの架空請求が疑われたため、内容精査が必要と判断し個別指導を中断した。

【コメント】
厚生局の個別指導が実施され、情報提供内容に沿う事実が確認され、不正請求の疑義が深まっており、個別指導の中断に至っています。

厚生局としては、架空請求は、不正請求の分類の中で特に重大な不正と判断するものと考えられ、架空請求の疑義が生じた場合、他の不正請求に比しより厳しく対応してくるものと考えられます。

3 患者調査の実施、架空請求の確認

平成29年6月1日から同月20日の間に18名に対し患者調査を実施したところ、一度も受診していない旨回答があったにもかかわらず診療報酬が請求されている事象等が認められた。

【コメント】
患者調査が実施されており、厚生局としては、患者調査の実施に足る、相応の裏付けの伴う不正請求の疑義が生じていたものと考えられます。そして、患者調査の結果、診療報酬の架空請求と考えられる事象が認められています。

患者調査が実施され架空請求などの疑義が深まった場合、厚生局としては、監査の実施を判断するものと思われます。

4 捜索差押えの新聞報道、監査の実施

平成29年6月9日、患者を診察せずに向精神薬を売ったとして、麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的譲り渡し)の疑いで、麻薬取締部及び鹿児島県保健福祉部薬務課が当該クリニック及び医師の自宅を捜索し、診療録、パソコン等を差押えたとの新聞報道がなされた。

以上のことから、当該保険医療機関において、診療報酬の不正請求が強く疑われたため、平成29年6月26日付けで個別指導を中止し、監査要綱の第3の1及び2に該当するものとして、同年7月7日、同年8月25日及び同年12月26日に監査を実施した。

【コメント】
診療報酬請求に関連する(関連し得る)と思われる不正での刑事事件の新聞報道がなされた場合、厚生局は、より厳しく積極的に対応するイメージです。本ケースでも、新聞報道を受けて、九州厚生局において、より厳しい対応が必要と判断されたものと思われます。

なお、厚生局の指導監査の手続きと刑事手続きとは、別の手続きとなりますので、本ケースのように、両手続きが併存することがあり得ます。

 2 取消相当の理由と不正請求額

1 取消相当の主な理由

九州厚生局の公表資料によれば、取消相当の主な理由は、以下のとおりです。

架空請求:
実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。

禁錮以上の刑に処せられたこと:
クリニックの元開設者である医師は、平成31年3月20日、詐欺罪で鹿児島地方裁判所から、懲役2年、執行猶予4年の判決を受けた。その後、令和元年9月26日、福岡高等裁判所宮崎支部において控訴の棄却が、令和2年2月4日、最高裁判所において上告の棄却が決定され、刑が確定している。

【コメント】
監査の結果、架空請求での不正請求が厚生局によって確認されています。また、本ケースで元開設者の医師が詐欺罪で禁錮以上の刑に処せられており、取消相当の理由とされています。

2 不正請求額

平成28年6月から平成28年8月までについて、レセプト3件1名分で5万5391円の不正請求が、監査で確認されています。


厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方はお電話下さい。
指導監査への対応を弁護士がアドバイスし、同席します。


厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
架空請求の情報提供での個別指導、監査の実例の他、多数コラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

14 医師の無診察の不正請求

15 医師の無診察治療での個別指導

16 再指導の個別指導からの監査

17 刑事事件の有罪判決(詐欺)での取消相当

18 訪問看護ステーションの個別指導

19 子供の診療での不正請求

20 14日後の処方箋の情報提供での個別指導

21 精神科デイ・ケアの施設基準の不正請求

22 情報提供での新規個別指導からの監査

23 後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

24 健康診断での不正請求の情報提供

25 東北厚生局(宮城県)の個別指導、監査

26 近畿厚生局(大阪府)の個別指導、監査

27 病院での適時調査からの個別指導、監査

28 架空請求の情報提供での個別指導、監査

29 訪問診療での不正請求の情報提供、通報

30 個別指導の欠席での厚生局の監査

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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