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東北厚生局(宮城県)の情報提供・通報での個別指導、監査(医科)の実例です。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(25):東北厚生局の個別指導

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、匿名の者から、東北厚生局指導監査課(宮城県)に薬剤の振替請求などの不正請求の情報提供・通報があり、個別指導が実施され、中断、監査となり、元保険医療機関の指定の取消相当となった実例をご紹介します。東北厚生局の令和3年7月付けの取消相当の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】厚生局の個別指導と監査
     https://医科個別指導弁護士.com/ika-kobetushidou.html



東北厚生局(宮城県)の情報提供・通報での個別指導、監査の実例


 1 監査に至った経緯

1 東北厚生局指導監査課への不正請求の情報提供

平成30年8月30日から11月18日までの間に、匿名の者から東北厚生局指導監査課に対し、@無資格者が軟膏類の調製・調合をしている、A無資格者がイボ、ウオノメを取る処置をしている、B常連の患者に対して診察をせずに薬剤を投薬している、C薬価の安い軟膏を投薬しているにもかかわらず、薬価の高い軟膏で請求している旨の情報提供があった。

【コメント】
宮城県のクリニック・診療所を管轄する東北厚生局指導監査課に、無診察投薬、薬剤の振替請求などの不正請求の情報提供・通報が、匿名の者からなされています。

情報提供の主体は匿名の者とのことですが、情報提供の内容などから推測しますと、クリニックの内部者・関係者からの情報提供である可能性が高いと思われます。

不正請求の情報提供・通報があったとき、厚生局が必ず個別指導等の対応をするわけではなく、提供された情報の内容や証拠状況などを総合的に勘案して個別指導の実施等を判断することになると考えられますが、本ケースでは、以下のとおり、宮城県のクリニックについて、管轄する東北厚生局指導監査課は、個別指導の実施の判断をしています。

2 東北厚生局指導監査課(宮城県)の個別指導の実施

令和元年7月25日、個別指導を実施し 、薬剤の購入に関する書類を確認したところ、薬剤名が不自然に手書きで追記されており、他の関係書類の精査も必要であることから個別指導を中断した。

【コメント】
宮城県を管轄する東北厚生局により、個別指導が実施され、薬剤名が不自然に手書きで追記されているなど疑義が生じ、個別指導の中断に至っています。

本ケースは東北厚生局(宮城県)での指導監査の事例となりますが、個別指導・監査の手法、スタンスは、大きな流れは共通部分が多いものの、細かな運用は、地域によって、また、担当する担当者によって異なるイメージであり、他の地域での運用が先生の地域の厚生局の指導監査の運用とイコールになるわけでは必ずしもありませんので、注意する必要があります。

3 不正請求の自認、個別指導の再度の中断

令和元年9月19日、個別指導を再開し、事実確認を行ったところ、実際に投薬した薬剤とは異なる薬剤で請求していること及び無資格の従事者が関係書類への追記を行ったことを開設者が認めたため、個別指導を再度中断した。

【コメント】
個別指導の中断から再開された際に、クリニック側が疑義に係る不正請求を認める事例は稀ではないと感じます。宮城県のクリニックの本ケースでも、疑義に係る薬剤の不正請求や追記をクリニック側が認めています。

個別指導が再開されてから認めた場合に、監査に進むか、または、個別指導の「再指導」などの監査ではない対応となるかは、具体的な不正請求の内容等によりけりであり、ケースバイケースであるという印象です。

4 患者調査の実施、監査の実施

患者調査等を実施したところ、診療報酬の請求について、不正の疑いが深まったため、個別指導を令和元年11月18日付け通知により中止し、 監査要綱の第3の1及び2に該当するものとして、令和元年11月28日から令和3年2月24日まで計15日間の監査を実施した。

【コメント】
患者調査が実施される場合、患者調査の結果次第ではあるものの、厚生局として、監査を念頭に実施に踏み切っていることが多いのではないかと思われます。本ケースでは、宮城県の係るクリニックについて、監査を念頭に、東北厚生局が患者調査を実施し、その結果を勘案した上で、監査に至ったものと考えられます。

 2 取消相当の理由と不正・不当請求額

1 取消相当の主な理由

東北厚生局の公表資料によれば、宮城県の係るクリニックについて、監査において判明した取消相当の主な理由は、以下のとおりです。

架空請求:
実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。
例:
実際には行っていない基本診療料、検査、投薬及び処置の費用を請求していた。

付増請求:
実際に行った保険診療に、行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
例:
実際に行った診療に、行っていない基本診療料、投薬及び処置の費用を請求していた。

振替請求:
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
例:
安価な薬剤を調剤したにもかかわらず、高価な薬剤を調剤したものとして請求していた。

保険診療で行ったものとして保険請求:
保険診療と認められないものを、保険診療で行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。
例:
診察をせずに投薬し、請求していた。

【コメント】
本ケースの端緒である東北厚生局(宮城県)への情報提供・通報に係る薬剤の振替請求などで、取消相当となっています。

2 不正・不当請求額

東北厚生局の公表資料によれば、レセプト375件49名分で240万5010円の不正請求が、レセプト2件2名分で1500円の不当請求が、監査で判明しています。


東北厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方はお電話下さい。
指導監査への対応を弁護士がアドバイスし、同席します。


厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
東北厚生局(宮城県)の個別指導、監査の実例の他、多数コラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

14 医師の無診察の不正請求

15 医師の無診察治療での個別指導

16 再指導の個別指導からの監査

17 刑事事件の有罪判決(詐欺)での取消相当

18 訪問看護ステーションの個別指導

19 子供の診療での不正請求

20 14日後の処方箋の情報提供での個別指導

21 精神科デイ・ケアの施設基準の不正請求

22 情報提供での新規個別指導からの監査

23 後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

24 健康診断での不正請求の情報提供

25 東北厚生局(宮城県)の個別指導、監査

26 近畿厚生局(大阪府)の個別指導、監査

27 病院での適時調査からの個別指導、監査

28 架空請求の情報提供での個別指導、監査

29 訪問診療での不正請求の情報提供、通報

30 個別指導の欠席での厚生局の監査

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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