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死亡患者の診療報酬不正請求のコラムです。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(4):死亡患者の診療報酬不正請求

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、死亡している患者の診療報酬が請求されているとの厚生局への不正請求の情報提供で個別指導となり、個別指導が2度中断され医師が診療報酬の不正請求を認め、個別指導が中止され監査となり、架空請求、付増請求で指定の取消相当となった保険医療機関の実例(不正請求での取消相当)をご紹介します。近畿厚生局の平成27年10月付けの取消相当の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、厚生局の指導監査の基本的な流れ、実施状況など記載していますので、まずはこちらのコラム厚生局の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。


死亡した患者の診療報酬不正請求の情報提供


 1 個別指導、監査に至った経緯

1 死亡患者の診療報酬不正請求の情報提供

平成22年3月9日、八尾市から大阪府を通じて近畿厚生局指導監査課に対し、当該医療機関を受診しなくなったにもかかわらず、医療費通知に毎月受診したように記載されている旨の情報提供が被保険者からあったこと及びレセプトを点検した結果、死亡しているにもかかわらず、その後も毎月、診療報酬が請求されているとの情報提供があった。

【コメント】
本ケースでは、死亡している患者について、診療報酬が請求されているとの情報提供がなされており、死亡した患者について診療をしたとして診療報酬が請求されていれば、患者は死亡していますので、不正請求の疑義となります。死亡している患者の診療報酬の請求が手違いや行き違いでのものである場合は、なぜそのような手違いや行き違いが生じたか、係る医療機関は経緯を説明することが求められます。
厚生局の監査の結果の保健医療機関の指定の取消は、重大な過失により不正な診療報酬の請求をしばしば行っていればなされるものであり、不正請求の故意がなく意図的なものでなくとも、重大な過失により不正請求をしばしば行っていると厚生局が判断をすれば、取消とされることになります。「不正請求」の表現からすれば、意図的な故意によるものであることをイメージしますが、厚生局の用語の用法によれば、故意の不正請求と過失(重大な過失・軽微な過失)による不正請求は双方ありますので、注意が必要です。
本ケースにおいて、死亡した患者の診療報酬の不正請求が、故意によるものであれば、故意による不正請求となりますが、重大な過失による行き違いや手違いでの不正請求であれば、重大な過失による不正請求として、しばしば行われていたかどうかが取消の判断でポイントとなります

2 厚生局の個別指導の実施、中断

平成25年1月10日、個別指導を実施したところ、氏名等の欄が切り取られた検査結果票が診療録に貼付されている事例が散見されたことについて、医師から明確な回答がなかったため個別指導を中断した。

【コメント】
上記によれば、個別指導において、医師は死亡している患者について診療報酬を請求していたことを認めなかった可能性があります。いずれにせよ、不自然な検査結果票などがあり、厚生局の当該医療機関への不正請求の疑義は解消されなかったため、個別指導が中断とされています。

3 個別指導の再度の中断

平成25年5月29日、個別指導を再開したところ、検査会社からの検査の請求明細書で実施が確認できない検査及び医薬品納品伝票で購入が確認できない薬剤の診療報酬が請求されていたことから個別指導を中断した。

【コメント】
厚生局としては、当該医療機関の検査の実施について、実際に行われていないのではないかと疑っており、行っていることを裏付ける厚生局が納得する資料の提示もなく、そこで、再度、個別指導が中断となったものと推測されます。
死亡した患者について診療報酬が請求されているとの情報提供があった場合、厚生局は、死亡患者に限らず生存している患者についても実際には診療していない請求が多数なされている可能性を疑い、厳しくチェックしてくるものと思われます。

4 個別指導の中止、監査の実施

平成25年12月12日、個別指導を再開したところ、医師は実際に診療していないにもかかわらず、診療したものとして診療報酬を不正に請求したことを認めたことから、個別指導を中止し、平成26年3月14日、6月20日、平成27年1月16日及び2月23日に監査を実施した。

【コメント】
医師が、不正請求を認め、監査となっています。個別指導の中断後に再開された個別指導で、不正請求を認めるケースは稀ではありません。
保健医療機関の監査となる場合に、本ケースのように、個別指導が2回の再開となるケースもありますが、典型的には、個別指導の中断後の再開は1回であり、その後は個別指導が中断され再開されず中止となり監査となることが多いイメージです。

 2 取消相当の理由と不正・不当請求額

1 取消相当の主な理由

第一に、架空請求であり、実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。第二に、付増請求であり、実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。

【コメント】
死亡した患者について不正に診療報酬の請求を行っていた場合、月(レセプト)単位で判断し生存し診療報酬を適正に請求している部分がある場合は付増請求に分類され、適正に請求している部分がない場合は架空請求に分類されます。
死亡患者の不正請求の典型的なケースを想定すると、そのような請求がなされた背景があり、当該死亡患者だけではない不正請求が行われていることが疑われるところです。

2 不正・不当請求の金額

平成21年1月から平成24年12月までについて、レセプト177件25名分で75万824円の不正請求が、レセプト192件24名分で41万4739円の不当請求が、監査で判明しています。ただし、この件数・金額は、監査で判明したもののみであり、最終的な確定した金額ではないことに注意が必要です。


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厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
死亡患者の診療報酬不正請求の実例の他、多数のコラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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