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個別指導を欠席し、監査、取消処分となった医科のクリニックの実例です。厚生局の個別指導、監査は、医師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険医療機関・保険医の取消の実例(30):個別指導の欠席での監査

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、指導監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、保険医の登録取消処分を受けた医師が保険診療を行っている旨の情報提供が関東信越厚生局にあり、患者調査の上で個別指導が実施され、2回の個別指導に欠席し監査となり、監査も欠席し監査拒否で保険医療機関の指定の取消となった実例をご紹介します。関東信越厚生局の令和4年11月付けの取消の実例であり、説明のため、事案の簡略化等をしています。

なお、厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】厚生局の個別指導と監査
     https://医科個別指導弁護士.com/ika-kobetushidou.html



正当な理由のない2回の個別指導の欠席での監査の実例


 1 行政処分に至った経緯

1 保険医取消処分の医師の保険診療の情報提供

保険医の登録取消処分により保険診療が認められないにもかかわらず当該医師が診療を行ったものについて保険請求を行っている旨の情報提供があり、患者調査を行ったところ、保険医登録の取消をされた医師が行った診療を、保険診療として診療報酬を不正に請求していること及び当該医師以外の医師の名前を利用し、診療報酬を不正に請求していることが強く疑われた。

【コメント】
保険医の登録の取消処分がなされれば、保険医の登録がないわけであり、再登録されなければ、その医師は保険診療できないことになります。

保険診療が取消処分によりできないにもかかわらずその医師が保険診療を行うことは、厚生局としては、自らの行政処分の実効性を揺るがすことに繋がりますので、特に厳しく対応することになるものと考えられます。

本ケースでは、保険診療を行っている旨の情報提供により患者調査を行っており、患者調査の実施のハードルは相応にあるものと思われますので、厚生局の厳しい態度が窺えます。

なお、不正請求などの情報提供が厚生局にあった場合で指導監査を実施する場合、患者調査ではなく個別指導をまずは実施することがスタンダードな運用と思われ(患者調査は個別指導の中断後に場合により実施)、にもかかわらず本ケースでは初手で患者調査が実施されており、注目すべき点と考えられます。

2 個別指導の欠席、監査の拒否

診療実態の確認が必要と判断し、個別指導を実施したところ、正当な理由なく2回の個別指導に出席しなかった。

情報提供内容及び患者調査の結果から、診療報酬の請求に不正又は著しい不当が強く疑われたこと、また、正当な理由なく個別指導を拒否したことから、監査要綱の第3の2及び4に該当するものとして、令和3年6月から令和3年9月まで計3日間の監査を実施したところ、度重なる監査の通知にもかかわらず、正当な理由なく出頭せず、監査を拒否した。

【コメント】
厚生局の個別指導は、本コラム作成時点の運用では、現に保険医療機関であるクリニック等に実施されるものであり、個別指導の実施の通知後であっても、個別指導の実施の前に保険医療機関の廃止の手続きをした場合は、個別指導は実施されないものと思われます。保険医療機関が廃止され個別指導が実施できず個別指導がなくなるケースはしばしば見受けられるのですが、廃止せず、しかし、個別指導に正当な理由なく欠席し出席しないケースは、数としては少ないのではないかとのイメージです。個別指導を正当な理由なく欠席した場合は、監査へと結び付きます。

本ケースでは、1回の欠席では監査に至らず、2回の個別指導に正当な理由なく出席せず欠席したことで、監査の実施に至っています。

また、本ケースでは、計3日間の監査に正当な理由なく出頭せず、監査を拒否し、それにより、取消処分に至っています。正当な理由のない監査の欠席でも、1回であれば取消処分にはならず、3回(または2回)前後の正当な理由のない監査の欠席で、取消処分・取消相当との流れとなる印象であり、本ケースでは3回で取消処分に至っています。

 2 行政処分の理由

1 取消処分の主な理由

関東信越厚生局の公表資料によれば、取消処分の主な理由は、以下のとおりです。

監査拒否:
開設者は、監査への出頭を求められ、正当な理由なく、監査を拒み、忌避した。

【コメント】
個別指導の欠席から監査となり、監査でも正当な理由なく欠席し、取消処分に至っています。

個別指導を欠席し監査にも応じないため、情報提供のあった内容の真偽について、厚生局の最終的な確認は行われていません。

保険医療機関が個別指導を欠席し、監査を欠席する場合、取消処分までに保険医療機関を廃止することが多いのではないかと思われますが、本ケースでは廃止されておらず、注目すべき点と思われます。

なお、本ケースでは、厚生局の監査での確認等が欠席により行えておらず、参照している関東信越厚生局の公表資料では、不正請求額についての記載はありません。


厚生局の個別指導、監査に臨む医師の方はお電話下さい。
指導監査への対応を弁護士がアドバイスし、同席します。


厚生局の個別指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
個別指導の欠席での監査の実例の他、多数コラムがございます。
個別指導や監査の際に、また日常の運営にご活用いただければ幸いです。

 1 個別指導と監査の対応法


1  厚生局の個別指導と監査


 2 保健医療機関・保険医の取消の実例


1  厚生局の情報提供での個別指導

2  厚生局の振替請求での監査

3  患者からの不正請求の情報提供

4  死亡した患者の診療報酬不正請求

5  コンタクトレンズの不正請求

6  鍼灸院・接骨院との不正請求

7  厚生局の監査の拒否、監査欠席

8  カルテの追記、改ざん、書き換え

9  無診察処方、無診察投薬の不正請求

10 施設基準の虚偽の届出、虚偽の報告

11 診療日数の水増しでの不正請求

12 医師の入院と中断中の個別指導の延期

13 医師の名義貸しでの新規個別指導の中断

14 医師の無診察の不正請求

15 医師の無診察治療での個別指導

16 再指導の個別指導からの監査

17 刑事事件の有罪判決(詐欺)での取消相当

18 訪問看護ステーションの個別指導

19 子供の診療での不正請求

20 14日後の処方箋の情報提供での個別指導

21 精神科デイ・ケアの施設基準の不正請求

22 情報提供での新規個別指導からの監査

23 後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

24 健康診断での不正請求の情報提供

25 東北厚生局(宮城県)の個別指導、監査

26 近畿厚生局(大阪府)の個別指導、監査

27 病院での適時調査からの個別指導、監査

28 架空請求の情報提供での個別指導、監査

29 訪問診療での不正請求の情報提供、通報

30 個別指導の欠席での厚生局の監査

 3 個別指導の手続きの概要


1  個別指導の対象医療機関の選定基準、選定方法

2  個別指導の実施通知、出席者、指導対象患者

3  個別指導当日の指導方法、弁護士の帯同、録音

4  個別指導の結果の通知、改善報告書、自主返還

 4 新規個別指導の手続きの概要


1  厚生局の新規個別指導

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